beat freak|エイベックスの無料音楽情報「ビートフリーク」 » さ http://www.beatfreak.jp beat freak|エイベックスの無料音楽情報「ビートフリーク」 Fri, 15 Jul 2011 08:00:47 +0000 http://wordpress.org/?v=2.8.6 ja hourly 1 THE SUITBOYS A.K.A. ☆TAKU TAKAHASHI http://www.beatfreak.jp/interview/22784/ http://www.beatfreak.jp/interview/22784/#comments Wed, 13 Apr 2011 04:59:10 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=22784 『AFTER 5 VOL.1』をリリース!!!]]> 01_THESUITBOYS_610350

m-floの☆Takuがソロ・プロジェクトを始動! その名もTHE SUITBOYS A.K.A. ☆TAKU TAKAHASHI!! 4月20日には活動の第一歩となるミックスCD『AFTER 5 VOL.1』をリリース!!!


 今回、“☆TAKU TAKAHASHI”名義ではなく、“THE SUITBOYS”として活動をしようと思ったきっかけと、ソロ・プロジェクト名“THE SUITBOYS”に込めた意味を教えてください。

☆TAKU TAKAHASHI:日本の音楽をよりグローバルに発信するため、世界から見た日本を象徴するものは何か? って考えたときに、“サラリーマン”というキーワードがまず上がりました。そこから派生して“THE SUITBOYS”となりました。込めた意味は、日本にも海外に負けない音楽をつくってるアーティストがたくさんいるってことを、もっと世界中に知らしめるってことでしょうか。ひとつの形にこだわらない形態で活動することも名義を“THE SUITBOYS”にした理由です。

 第1弾となるミックスCD『AFTER 5 VOL.1』がリリースされますが、今作にはどんな思いを込めていますか?

☆TAKU TAKAHASHI:世界の音楽シーンではジャンルにとらわれない音楽がいろいろと出てきていて、とても面白いことが起きています。そういう音楽は日本ではクラブでしか聴けないので、自分の持ってるモノをみんなとシェアできたらと思ってつくりました。このミックスCDを聴いて、もっと積極的に自分たちからそうした音楽を探しに行く人が増えるとなお、うれしいです。

 テーマは、タイトル通り”アフター5”から楽しむダンス・ミュージックかと思われますが、このテーマはどんなところから?

☆TAKU TAKAHASHI:まじめに仕事をアプローチするのはとても良いことだと思うのですが、やはり“遊ぶこと”って大事だと思うんです。何事も気分転換が必要ですし、インスピレーションも遊びから生まれることが多いと思います。遊ぶこと自体が何かのエネルギーになったりするじゃないですか。そして経済にもプラスになりますし。最近、日本は元気が出づらいことが多いですが、そういった部分でも少しでも勇気を与えられたらと思って。

 エレクトロやドラムンベース、ダブステップなど、最新のフロア・チューンを中心に全部で38曲が収録されていますが、選曲はどのように行なったんですか?

☆TAKU TAKAHASHI:選曲は、今自分が現場でプレイする、もしくは今後プレイしたいものを中心に選んでいます。なので、まず今回のミックスCDに収録したい楽曲をリストアップして、各アーティストやレーベルに許諾申請をしました。数は覚えてませんが当初40~50曲以上を挙げたかもしれません。その中から厳選に厳選を重ねてようやく落ち着いたのがこの38曲です。僕は飽き性なので、1曲を長くかけることも、同じジャンルの曲ばかりをつなげるのも苦手というか、自分のスタイルではないので、様々なジャンルの楽曲が散りばめられたミックスになりました。なかには連絡がつかなくて断念した曲もありますが、そういう曲は現場に聴きに来てください。

 曲の並びに関しては、自然とこの曲順に?

☆TAKU TAKAHASHI:“ハーモニック・ミキシング”というミックスを科学的にアプローチする手法があるんですが、ヨーロッパではすでに大きなトレンドになっていて多くのDJたちが利用しています。今回はその理論を応用しながら流れやストーリーをつくっていきました。曲が流れるにつれ感情が高まる効果が出たら大成功ですね(笑)。もちろん、理論を超えた人間的な部分もこだわってつくったので、良いバランスに仕上がってると思います。何度聴いても楽しめるはずです。

 曲のつなぎで意識したことはどんなことですか?

☆TAKU TAKAHASHI:ここも人間的な部分なんですが、今回のミックスCDの制作では、PCはもちろん使いましたが、DJミキサー(Pioneer DJM2000)を使ってライヴ的要素も取り入れています。エフェクトなどもPC上での加工は完璧なタイミングで限りなく加工できますが、DJミキサーを使うことによって、もっと感覚的に、クラブでのパフォーマンスに近いものになりました。そうすることで無機質になりがちな部分を生々しく表現できたかなと思います。

 ヴォーカル曲とインスト曲との使いわけで、特に意識したことはありますか?

☆TAKU TAKAHASHI:海外ではクラブで大合唱とか当たり前に起きてますが、日本のクラブではみんなが知ってる曲でも歌うってことはあまりしませんよね? 日本語の曲をクラブでかけることすらためらわれるのが現状です。今回の作品は日本国内はもちろん、海外に向けて発信していきます。だからこそヴォーカルが大事になってくる場面が出てきますし、そうでないインストの部分で無心に踊る時間が活きてくると思うんです。バランスは考えましたが、DJとしての直感で使いわけたというか、いい塩梅になったかなと。

 MC LYTEをフィーチャーした“THE SUITBOYS”名義第1弾楽曲「Calypso till Dawn」も収録されていますが、こちらの楽曲はいつ頃制作したんですか?

☆TAKU TAKAHASHI:LYTEにオファーしたのが去年の12月くらいで、条件面が折り合わず、一時断念しそうになったんですが、LYTE側が、「トラックを聴いて本人が気に入ったらやるけどどう?」って申し出てくれて、年明けぐらいにトラックを送ったら、「OK!」って返事が来て、実現しました。音楽で会話できた素晴らしい作品になりましたね。でもこの曲、実はまだ完成形ではなくて、今後さらにヴァージョン・アップしていく予定なので期待しててください。

 「Lotta Love」、「gET oN!」のTHE SUITBOYS REMIXも収録されていますね。

☆TAKU TAKAHASHI:2曲ともクラブで自分がかけて気持ちいいかどうか? ってことが最重要視したポイントです。リミックスの原点は、かかりそうにない曲をクラブでかけたいっていう情熱だと思うんです。この2曲に関してはすでにクラブでもかかってたから、もっと自分がかけたい音や、もっと世界に通用するリミックスで会場のお客さんを驚かせたい、って衝動に駆られてつくりました。本来この作品に入れる予定ではなく、クラブでかけるためとしてつくっていたので、こういう形で作品に収録できて良かったです。

 これからの日本のクラブ・シーン、ダンス・ミュージック・シーンに期待することはどんなことでしょうか?

☆TAKU TAKAHASHI:正直、昨今の風営法の取締り強化には参っていますが、そんなことに負けずに活気づけられるようなパーティを開催してほしいです。誰かが旗を振って法律に立ち向かわないと変わらないと思うし、今こそその時だと思っています。かつてはビリヤードなんかも映画の影響で市民権を得たお陰で規制から除外されたという話もあるので、ダンス・ミュージックにも市民権を与えられるような何かが起こる2011年であってほしいですね。その中で最近、自分の役割も真剣に考えはじめてもいます。

 m-floでの“☆TAKU TAKAHASHI”と、THE SUITBOYSの“☆TAKU TAKAHASHI”は、別々の存在?

☆TAKU TAKAHASHI:難しい質問ですね。そもそもm-floに関して言えば、音楽をつくるためにグループをやっているわけではなく、つくりたい音楽があってグループが存在しなければならないと常に思っています。THE SUITBOYSに関して言えば、先にも言いましたが、ミュージシャンとしての名義というよりは、世界に向けてのひとつのアイコンに近い存在です。楽曲をつくっているのはあくまでもタカハシタクという人間で、そのアウトプットが何なのか? というだけなんです。THE SUITBOYSというのはプロジェクトとして存在しますが、=タカハシタクとは言い切れません。他にメンバーが増えるかもしれないし、実はバンドになるかもという感じで、形にこだわるのではなく自由な発想で音楽をつくっていたいです。

 THE SUITBOYSでは、トレードマークのサングラスをメガネにかけ替えていますが、周囲やファンの方からは、何か反応はありましたか?

☆TAKU TAKAHASHI:メガネは普段からかけてたので、あまり…(笑)。でも、はじめて見たって人たちからポジティヴなコメントが入ってるのはうれしかったです。

 最後にファンへのメッセージをお願いします。

☆TAKU TAKAHASHI:『TCY RADIO TOKYO』というネットラジオをやっています。毎週金曜日にHouse、Electro、Dubstep、D&B、Hip Hop、Technoなどさまざまなダンス音楽のリリース前の新曲を紹介する”Eklektrik”という番組をやってるんで、ぜひそういった音楽が好きな方はチェックしてください。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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『AFTER 5 VOL.1』
THE SUITBOYS A.K.A. ☆TAKU TAKAHASHI
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SATOMI’ http://www.beatfreak.jp/interview/22420/ http://www.beatfreak.jp/interview/22420/#comments Mon, 28 Mar 2011 10:20:06 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=22420 『SATOMI’ BEST MIX mixed by DJ KENKAIDA』は、“SATOMI’”時代の4年間の軌跡を収めた集大成とも言えるミックス・アルバム!!]]> 01_SATOMI_610350

16歳でUKデビューしたR&BシンガーSATOMI’が、rhythm zoneへの移籍を機にアーティスト名を“SATOMi”へと変更! 3月2日にリリースされる『SATOMI’ BEST MIX mixed by DJ KENKAIDA』は、“SATOMI’”時代の4年間の軌跡を収めた集大成とも言えるミックス・アルバム!!


 今作で“SATOMI’”名義の作品はラストとなりますが、アーティスト表記を変えようと思ったのはなぜ?

SATOMI’:デビューからこれまで国内では“SATOMI’”として活動してきたんですが、メジャーに移籍することになったので、“新たな門出”として何かを変えたかったんです。移籍したと言っても、新しい“SATOMi”名義でのリリースは配信しかしていないので、まだ実感を得ることは少ないんですが、今まで以上に大勢の人が私のために動いてくれているので、それに応えられるように活動していかなきゃいけないと自覚しています。

 “SATOMI’”時代の集大成とも言える今作ですが、改めて“SATOMI’”時代を振り返ってみて、いかがでしたか?

SATOMI’:やっぱり“人との出会い”が一番大きかったですね。普通に生活していたら会えないような人、たとえば自分が昔から聴いていた憧れのアーティストであるテリー・ウォーカーにも会えたし、一緒に仕事をするスタッフにも本当に恵まれていたと思います。みんなすごく温かくて、アーティストとしても、女性としても、ひとりの人間としても成長できる環境でした。

 今作には全部で35曲が収録されていますが、曲数のヴォリュームは最初からこれくらいの数で考えていたんですか?

SATOMI’:最初から“○曲にしよう”って決めてはいなかったんですけど、ここまで多くなるとは思っていませんでしたね(笑)。本音を言えば、全部入れたかったんですけど、そういうわけにもいかないので、絞って絞って、最終的にこのヴォリュームになったっていう感じです。

 選曲はどのように?

SATOMI’:ブログでファンのみんなに“好きな曲はなんですか?”って問いかけて。みなさん、本当にたくさんの答えをくれたので、それを参考にしてセレクトしていきました。

 個人的に“これは絶対に外せない!”という曲はありましたか?

SATOMI’:「Yesterday」は自分がスタートを切った曲なので、外せませんでしたね。あとは「Time -Lord Finess & Davel“Bo”McKenzie Remix-」。先ほどの話に通じるんですけど、ロード・フィネスも昔からすごく好きだったアーティストだったので、その人にリミックスしてもらったこの曲を入れられたのは、うれしかったです。でも、どの曲も自分で歌詞を書いているし、それぞれにいろんな思い入れがあるので、その中からみんなが選んでくれて、本当にいいミックスに仕上がったと思います。

 ミックスはDJ KENKAIDAさんが手がけていますね。

SATOMI’:DJ KENKAIDAさんには、今までにもリミックスを手がけてもらっていたし、ライヴの時にもバックDJをやってもらっていて、デビューしてからお世話になることが多く、私の曲を理解してくださっているのでお願いしました。

 曲順や1曲あたりの尺に関して、SATOMI’さんからリクエストは出したんですか?

SATOMI’:“ミディアム・ゾーン”、“バラード・ゾーン”、“アップテンポ・ゾーン”といった具合に、私の方で大まかにブロックわけさせていただきましたが、あとは聴いてくれる人が飽きずに、そして聴きやすいように、という感じで、すべてDJ KENKAIDAさんにお任せしました。

 最後を締めくくる35曲目には“SATOMi”名義の「ねぇどうしたらキミは」が収録されていますね。

SATOMI’:「キミうた」シリーズといって、“過去”、“現在”、“未来”を表した3部作があるんですけど、この曲は“過去”にあたるもので、“元カレ”をテーマにしています。すごくいい曲に仕上がったので、新しい“SATOMi”では、こういうことをやりますというお披露目の意味を込めて収録させてもらいました。

 この曲はすでに配信でリリースされていますが、聴きどころは?

SATOMI’:元カレを思う女の子の素直になれない歯がゆさや切なさ、もどかしさを歌っています。Giorgio Cancemiさんと歌詞を共作させていただいたんですけど、男性なのに恋する女の子の気持ちをすごく理解している方で、すごくやりやすかったし、切なさが反映されていると思います。メロディもすごく繊細で優しいメロディになっています。

 特にどんなところで、Giorgio Cancemiさんが女心を理解しているなと感じたんですか?

SATOMI’:たとえば、サビの部分はGiorgio Cancemiさんに書いていただいたんですけど、女の子の弱さがすごく表れているし、すごく伝わりやすい言葉だなと感じていて。私の中で、男性は恋人に対して面倒くさがりや、女性は恋人に甘えたがるってイメージがあるんですけど、Giorgio Cancemiさんはどっちも理解した上でスラスラと言葉が出てくるし、“こう歌った方が聴いている人に伝わりやすく、切なさが倍増するよ”っていうアドバイスをくださったりして、本当にいい経験になったし、すごく勉強になりました。

 “SATOMI’”と“SATOMi”の両方を感じられる今作をリスナーの方には、どのように受け取ってもらいたいですか?

SATOMI’:“SATOMI’”の4年間の成長や心境を感じ取ってほしいし、いろんなシチュエーションに合う曲が入っているので、自分と重ね合わせて聴いてもらえたらと思います。

 これから“SATOMi”としての活動がスタートしますが、どんな姿を見せていきたいですか?

SATOMI’:“SATAMOI’”時代に積み重ねたものにプラスして、さらにアンテナを伸ばして視野を広げていきたいなと思っているし、今まではR&Bをベースにしていたんですけど、もっとジャンルレスにいろいろなことに挑戦して、ひとりでも多くの人にいろいろなメッセージを伝えていきたいです。それに、これまで見せていなかったような自分の弱い部分も見せていけたらなと思ってます。自分の弱さをさらけ出すことで、歌詞はよりリアリティを持つと思うし、欠点のない人はいないと思うので、より共感してもらえるかなと。

 海外での“Satomi”としての活動は?

SATOMI’:昨年、スライ&ロビー・アンド・スキャンタナの「Hey Yaah」という曲に、セラーニと一緒にフィーチャーしていただいたんですけど、“Satomi”としてレコーディングした曲もたくさんあるので、ひとつの形に完成させたいと思っています。“SATOMi”としての国内での活動とうまく両立させながら、海外でも活動していきたいですね。今回、“SATOMI’”の最後のアルバムをミックスという形でリリースさせていただきますが、どんなジャンルを聴く人にも耳馴染みのいいミックスに仕上がっているので、ひとりでも多くの人に聴いてもらいたいです。そして、これから“SATOMi”としてひとつずつステップアップして、今まで以上にいろんなことに挑戦して頑張っていくので、これからも応援よろしくお願いします。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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●ALBUM
03.02 On Sale
『SATOMI’ BEST MIX mixed by DJ KENKAIDA』
SATOMI’
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¥2,100(tax in)

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the pillows http://www.beatfreak.jp/interview/21713/ http://www.beatfreak.jp/interview/21713/#comments Wed, 16 Feb 2011 03:00:09 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=21713 「Movement」を皮切りに、ニュー・アルバム『HORN AGAIN』(1月26日)、ライヴDVD『Born in The ‘60s』(2月16日)と3ヶ月連続で作品をリリース! 結成22年目を迎えた彼らの魅力を存分に堪能できるアイテムばかり!!]]> 01_thepillows_610350
L to R:真鍋吉明、山中さわお、佐藤シンイチロウ

独自のスタイルを貫き通すロック・バンドthe pillows。昨年12月1日にリリースしたニュー・シングル「Movement」を皮切りに、ニュー・アルバム『HORN AGAIN』(1月26日)、ライヴDVD『Born in The ‘60s』(2月16日)と3ヶ月連続で作品をリリース! 結成22年目を迎えた彼らの魅力を存分に堪能できるアイテムばかり!!


 昨年はthe pillowsとしての活動だけでなく、山中さんはソロ・デビューするなど、例年以上に多忙でしたが、改めて振り返ってみて、いかがでしたか?

山中さわお:はじめてソロ・アルバムをつくったことは、達成感がありましたね。他のミュージシャンとのセッションは楽しくもあり、新鮮だったし。あと自主企画した『Born in The ’60s』というイベントで、THE COLLECTORS、Theピーズ、怒髪天、TOMOVSKYとツアーを回ったのがとても印象的でした。久しぶりに先輩ばかりに囲まれて(笑)。確かに忙しかったけど、忙しいのが好きだから良い1年だったかな。

 その’10年の締めくくりにリリースされたシングル「Movement」は、初期のthe pillowsを感じさせる楽曲ですが、いつ頃、どのような形で生まれてきたんですか?

山中さわお:この曲は去年の『OOPARTS TOUR』中、どこかのホテルで深夜から朝にかけて一気に曲も歌詞も書き上げて。最初はスローな曲のつもりで書いたんだけど、バンドでセッションするうちに、アッパーな気分に変わっていったんです。

 歌詞は“諦め”と“希望”の間で揺れる、微妙な心理が描かれていますが、その背景には’09年の“20周年イヤー”が影響しているんですか?

山中さわお:確かにアニヴァーサリーは関係してますね。武道館公演はやはり自分にとって大きな出来事で、感謝と感動、達成感でしばらく脱け殻だった。それでも日々は続いていくし、目の前にはツアーがあり、ステージがあり、音楽が僕を待っている。“それでもまだ走り続けたい”と、素直な気持ちが出た歌だと思います。

 その「Movement」を収録した『HORN AGAIN』は、よりロックな方向に振れた作品に仕上がっていますが、アルバムの全体像が見えてきたのはいつ頃でしたか?

山中さわお:前作の『OOPARTS』は、the pillowsのオルタナ・サイドがにじみ出たアルバムだったんだけど、今回はロックンロール・サイドというか。たぶん、ソロ・アルバムをつくったことが影響したのかな。細かいオルタナ的なギター・アプローチはソロで満足して、the pillowsはまたバンド・サウンドをセッションの瞬発力で生み出したくなったんだと思います。「Brilliant Crown」ができて、トータル感はシリアスな方が似合うだろうなと思って全体像は固まっていきました。

 ちなみにソロでの活動は、山中さんの中でthe pillowsとは別のものとしてわけているんですか?

山中さわお:ソロは楽曲づくりよりも、ギターを好きなだけ弾くとか、他のリズム隊とセッションするとか、あとはライヴで披露する気がないアプローチができる楽しみ…などですね。the pillowsはライヴが大前提だし、やはり“ロックンロール”、もしくは“名曲を熱唱!”みたいな熱の高いものがしっくりきます。だからソロは比較的熱の低いものをやる場所…かな。でも、明確にわける必要は今さらない気がします。もう長いですからね(笑)。

 “HORN AGAIN”というタイトル通り、何かに向かって突進して行くような推進力を感じさせる作品ですが、タイトルはどんなところから?

山中さわお:直訳すると“ツノよ再び”ってなるんですけど、とにかく僕は戦闘的な方が、音楽やthe pillowsを動かすのに向いてると再確認したんです。残念ながらネガティヴなパワーの方が生み出しやすい性格で。理想的に前進することにこだわると、必ずそれをさえぎる存在と対面するでしょう。その時に大人っぽくスルーするのではなく、ツノを出して戦う、ディスカッションする姿勢でいたいんです。

 前作に続き、今作もセルフ・プロデュースで制作されたそうですが、セルフ・プロデュース以外の作品との決定的なちがいはどんなところですか?

山中さわお:僕らにとってプロデューサーと言えば、サロンミュージックの吉田仁さんですから、仁さんの得意なローファイ・サウンドを目指すか、最近僕がしたいハイファイ・サウンドを目指すか、その点だけですかね。今作は、その中でも、ギターの音がよりクリアな歪みで録音できたことが、自分的には大きいです。

 個人的に「Movement」や「Brilliant Crown」ではなく、「Doggie Howl」で最後を締めているのが印象的だったんですが、曲の並びで意識したことは?

山中さわお:曲順はとても音楽的、感覚的に一瞬で判断するので、伝えるのはとても難しいですね。並べて聴いてすぐ良いか悪いか感じるので。ただ、「Brilliant Crown」のような大作っぽい曲の後に、軽めの曲で終わるパターンは、個人的に好きですね。the pillowsでは、こういうパターン多いです。映画でも感動的な場面で終わって暗転して、エンドロールが案外軽い曲で終わるパターンがあるじゃないですか。ああいうの好きなんですよ。

 どの曲にも思い入れがあると思いますが、あえて1曲“これ!”と挙げるとしたら、どの曲になりますか?

山中さわお:サウンドも歌詞の内容も今の自分にジャスト・フィットしてるんで、「Limp tomorrow」が一番気に入ってます。何を歌ってるのか、親切な説明のない歌詞、聴く人によって感じ方の変わる歌詞っていうのを書けた時が一番手柄を感じます。でも、そういう曲に限って、あまり人気出ないんだよな(笑)。

 2月16日には、最初の方でお話に出た『Born in The ’60s』のDVDがリリースされますが、このツアーのアイデアはどんなところから?

山中さわお:単純に20年以上付き合いのある、音楽的にも人間的にも影響受けた強者バンドとツアーしたかったんです。怒髪天の増子さんが、名古屋のアンコールで天むすを持って登場して、客の口にねじ込んだり(笑)、最終日のEASTのステージでTHE COLLECTORS、TOMOVSKYを土台に組体操みたいな感じでピラミッドの頂上に立ったり(笑)、想像もつかない馬鹿馬鹿しさに、僕たちもお客さんも爆笑のツアーでした。

 ずばり、このDVDの見どころは?

山中さわお:ライヴはもちろんですけど、爆笑の楽屋、打ち上げ。特典映像ではメンバー14名の格付けチェックもあって相当面白いっす。今年もこのツアーはやるんで、このDVDでどんな感じかチェックしてもらって、実物を観に来てもらえたらと思います。

 2月18日からは、過去最大規模の全国ツアー『HORN AGAIN TOUR』がスタートしますが、こちらはどんなステージに?

山中さわお:いつも通り、行き当たりばったりっていう感じで、楽しくやります。

 ニュー・アルバム『HORN AGAIN』のリリースで幕を開けた’11年ですが、どんな1年にしたいですか?

山中さわお:ん〜…そういうの本当にないんですよね。まぁ、25周年までは普通に頑張りたいです(笑)。それと新曲もたくさんつくりたい! 傲慢で勝手なバンド…って俺だけ(笑)? とにかくthe pillowsを’11年もよろしく!


INTERVIEW:Shinji Takemura


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¥3,500(tax in)

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The ROOTLESS http://www.beatfreak.jp/interview/19796/ http://www.beatfreak.jp/interview/19796/#comments Wed, 20 Oct 2010 03:03:36 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=19796 「One day」は、国民的人気アニメ『ONE PIECE』の主題歌に!!]]> 01_TheROOTLES_610350
L to R:内藤デュラン晴久、井原拓也、野畑慎、大坪祐介

結成からわずか1年半の間に2度の全国ツアーを行なうなど、すでにその実力に折り紙付きのロック・バンドThe ROOTLESS(ルートレス)が、ついにメジャー・デビュー! 10月20日にリリースされるシングル「One day」は、国民的人気アニメ『ONE PIECE』の主題歌に!!


 The ROOTLESS結成のいきさつを教えてください。

野畑慎:最初、僕はひとりでストリートを中心に活動していたんですけど、メンバーそれぞれが同じ思いを持って、同じベクトルに向かってステージに立つようなバンドを結成したいなと思って。それで知り合いを通じて紹介してもらったのが、今のメンバーです。デュランのギターの音は、熱い僕好みの音だったし、チョーキングの鳴きもツボにハマっていて、一目惚れしましたね。大坪と井原も、すごく安定感のある2人だし、このメンバーなら“いける!”って思いました。

内藤デュラン晴久:慎さんと最初に会った時、すごく若い人だなと思ったんだけど、意外に歳がいっててビックリしました(笑)。スタジオに入って、結構長い時間歌っていたんですけど、全然のどが落ちないし、高音も出るから、すごくのどの強いヴォーカルだなって。

 井原さんと大坪さんは、専門学校時代の同級生とのことですが。

大坪祐介:そうです。その頃も一緒のバンドでやっていたことがあって。でも、The ROOTLESSで一緒にやることになったのは、本当にたまたまなんですよ。

井原拓也:俺も最初はビックリしましたからね。“わ。また、おる”みたいな(笑)。

大坪祐介:いたら悪いんかい(笑)。

野畑慎:僕は、そのことを最初知らなくて。初対面のはずなのに、やけに親しげだったから不思議に思っていたんです。

 リズム隊として土台を支え合うパートナーですが、昔から知っているだけにやりやすい?

井原拓也:それはありますね。クセもある程度わかっているんで、安心感があるし、音楽面以外でも、最初の頃はお互いのことを何もなにもわからない中で、知った顔がいるっていうのはすごく心強かったし。

 作詞作曲に関しては、誰が主に担当っていうのはあるんですか?

野畑慎:デビュー・シングルに関しては、全部作詞が僕で、作曲がデュランっていう組み合わせなんですけど、これはたまたまで。全員、歌詞も曲も書きますね。

 みなさんがそれぞれ楽曲をつくる際に大事にしていることは?

野畑慎:僕は、やっぱり歌詞です。まだまだ課題がたくさんあるんですけど、今はとにかくわかりやすいっていうことを前提に、僕の目線での言葉を入れて個性を出しつつ、聴く人の心に届くような歌詞を書くことを心掛けています。

井原拓也:僕は聴いていて歌詞の内容がスッと入ってくるようなサウンドづくりっていうのを意識しています。そういうのがポップさにつながってくると思うので。

大坪祐介:今までは基本的に歌詞を書くことが多かったんですけど、最近は曲づくりも勉強していて。まだ右も左もわからない状態なんで、今はとりあえず知識をどんどん取り入れているところです。

内藤デュラン晴久:今までいろんなバンドでやってきたんですけど、そのバンドごとにカラーを出してきていて。The ROOTLESSでは、ポップさっていうのを重視しています。今までポップなものはあまりやってこなかったので、チャレンジ的な部分もあるんですけど、やりがいがありますね。最初の頃は、やり慣れていないんで、バックがあまりうるさ過ぎるとズレちゃうかなとか気にして、その辺のバランスを難しく感じることもあったんですけど、最近は気にしなくなりました(笑)。あんまり気にし過ぎて、変にまとまっちゃうよりは、その方が面白いかなって。

 メジャー・デビューにあたっての意気込みは?

内藤デュラン晴久:メジャー・デビューってバンドをやっている人にとって、夢のひとつだと思うし、もちろんそれは僕の中にもあって、すごくうれしいんですけど、その後が大事だなと思っていて。

井原拓也:特に今作は『ONE PIECE』っていう人気アニメとのタイアップをいただいていて、それがすごく大きいと思うんですよ。聴いている人も“この人たち誰?”って思うだろうし。そういう意味で、これからっていうのがすごく大事なので、どうするかっていうのはすごく考えますね。

 そのあたりでプレッシャーは感じていますか?

野畑慎:プレッシャーがあるのはまちがいないです。でも、そのプレッシャーをバネにして、スタートラインでものすごいアドヴァンテージをもらっているので、そこをキッチリと活かして“僕らの楽曲はこれだ!”って言える作品を一致団結してつくっていきたいです。

 歌詞は『ONE PIECE』のイメージから書いたんですか?

野畑慎:そうですね。『ONE PIECE』の世界観っていうのはすごく大事にしました。ただ、それだけじゃなくて、僕たちの思いや夢に対する姿勢っていうのも重ね合わせて。僕が個人的にルフィを好きっていうもあるんですけど、今のアニメのシリーズはすごくシリアスなので、ルフィの心情を大事にしつつ、“大切なもの”と夢を重ね合わせて書きました。

 サウンド面で重視したポイントは?

内藤デュラン晴久:この曲は“大切なものを守りたい”っていうことをテーマに書いていて、大切なものを守りたいっていう強さと、大切なものを失う怖さっていう切なさ。その2つの部分を出すように意識して、強い部分は思い切りひずませたり、切ない部分はアルペジオにしたり、いろいろ工夫しました。

大坪祐介:デュランが、ルフィが力強く歩く姿をイメージして書いたっていうのを聞いて、その力強さを表すために、どっしり構えて前に進む感じっていうのをイメージしながら叩きました。

井原拓也:僕はそういうところも含め、あとはシンプルにっていうのを意識しました。歌詞の内容を聴く人に伝えるためにはどうすべきかっていうのを僕なりに考えて、出た答えが“シンプル”だったので。そういう気持ちで弾きました。

 「リアル」は、どんなところから生まれた曲なんですか?

内藤デュラン晴久:“ロックらしいロックがないな、このバンド”って思ったのがきっかけで(笑)。それはマズいと思ってつくったのが、この曲です。“ライヴ”をイメージして書いたんですけど、僕的にはこういう曲が得意なんで、割とすぐにできました。

 歌詞はどんなところから?

野畑慎:僕ももうあと2年で30歳ということもあって、主人公の30歳というところにスポットを当てたんですけど(笑)。これは夢追い人の話で、踏んだりけったりのさんざんな目に遭う主人公のイメージが自然に出てきたので、それを土台にして書いていきました。

 「さよならの前に」は切なさを感じさせる楽曲ですが、これは実体験がもとになっているんですか?

内藤デュラン晴久:これは僕の体験がもとです。慎さんが歌詞を書いている時に僕の体験を話して。

野畑慎:デュランからその話を聞いて、“これは絶対に活かさなきゃ!”と思って(笑)。最初は大学生の恋愛みたいな感じで書いていたんですけど、デュランの話を聞いて、ちょっとウブな感じというか。中学生とか、思春期くらいの恋愛って、お互い好き同士ってわかっていても、言えないことってあると思うんですよ。その歯がゆさとか、胸のモヤモヤしたことを歌詞にしています。

 サウンドはいつ頃制作したんですか?

内藤デュラン晴久:去年のツアー中ですね。最初から“ポップな曲をつくろう!”と思って書いていて、僕の中では今までで一番ポップかもしれないです。ただ、やっぱり気恥ずかしさみたいなところもあって。“このコード進行使うのは、はじめてだ”とか思いながら(笑)。でも、ポップスを聴くのは好きなんですよ。槇原敬之さんとかよく聴きますし。だから、書いていて楽しかったですね。

 最後にみなさんが目指すバンドの理想像を教えてください。

大坪祐介:メンバーそれぞれが引き立つバンドですね。歌を中心にして、それを聴いたらひとりひとりの顔が思い浮かぶような。それぞれの個性をしっかりと出して、バンドっていう形になっていきたいです。

井原拓也:あとは自分たちが、憧れられるようになれたらなっていう思いがあって。たとえば、今からバンドをはじめようっていう人たちが、僕らの曲をコピーしたりとか。そういうのが理想ですね。

野畑慎:それと僕らはライヴ・バンドなので、ライヴを見てもらいたいっていうのが一番にあるんです。だから、「One day」を聴いて、ぜひライヴに足を運んでもらえたらと思います。よろしくお願いします。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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紗羅マリー http://www.beatfreak.jp/interview/8779/ http://www.beatfreak.jp/interview/8779/#comments Wed, 07 Apr 2010 03:00:16 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=8779 「Cherry / Gossip」で歌手デビュー! 数々のヒット曲を生み出したジェフ・ミヤハラをサウンド・プロデューサーに迎え、ハッピーなアゲアゲ・ソングを披露!!]]> 01_SARAMARY_610350

『東京ガールズコレクション』や雑誌などで活躍するモデル、紗羅マリーが、4月7日にリリースされるシングル「Cherry / Gossip」で歌手デビュー! 数々のヒット曲を生み出したジェフ・ミヤハラをサウンド・プロデューサーに迎え、ハッピーなアゲアゲ・ソングを披露!!


 モデルの仕事はいつ頃から?

紗羅マリー:モデルは13歳からやっていて、そのきっかけというのが、美容院でママと並んで髪を切っていた時に、ママが読んでいた雑誌にモデル事務所のオーディションの広告が載っていて。それを見たママが「応募していい?」って言い出したんです。で、いざオーディションを受けたら、6次審査くらいまであって、“東京の事務所はこんなに入るのが難しいんだ”って思ったんですけど、実はそのオーディションは世界一のモデルを決めるやつで。でも、本人は全然そんなこと知らなかったんですよ(笑)。何も経験がなかったので、もちろんそこでは選ばれなかったんですけど、事務所の方の目にとまって。それでモデルをはじめてから、1週間後には、今みたいに雑誌の仕事をやっていたんです。だから、ちょっとアメリカン・ドリーム的な感じですね(笑)。

 歌手業をはじめようと思ったきっかけは?

紗羅マリー:両親ともに洋楽が大好きで。小さい頃から、ご飯の後にみんなで音楽を聴きながらのダンス・タイムが、毎日のように繰り広げられていたんです(笑)。それで自然と音楽が染み込んでいて、“歌手になりたい”というよりは、純粋に“歌を歌いたい”っていう気持ちが強くて。23歳になったのを機に、モデルをはじめて10年っていう節目でもあるし、自分ももう大人になったので、自分から意見を言ってみようと思って、事務所に「音楽をはじめたいんですけど」って言ったんです。でも、こうして考えると、モデルも音楽もママがきっかけになっていて。最近よくママが口にするのが「あなたは私のやりたかった夢を1個ずつ叶えてくれる。ホントによくできた娘だね」って言葉なんです(笑)。

 モデル業で培ってきたことが、歌う上で役立っていますか?

紗羅マリー:この間、ライヴをやらせていただいたんですけど、ステージに立って人に見られるのは慣れていたので、特に緊張することもなく、ひとりひとりの顔を見ながら歌えて。それが、すごくありがたかったですね。『東京ガールズコレクション』では何万人もの人の前を歩いていたので、人から見られることに免疫があったというか。それがなかったら、たぶんパニックになっていたと思います(笑)。

 デビューが間近に迫りましたが、今の気持ちは?

紗羅マリー:素直にうれしいですね。配信ではもうリリースされていて、私も携帯にダウンロードしてメールの着信音に設定したんですけど、さっき実際に鳴ったらビックリしちゃって(笑)。携帯から自分の声が流れるのって、不思議な感じですね。まだ、ちゃんと気持ちの整理ができていない状態なんですけど、とにかくワクワク、ドキドキといった感じです。

 今作は両A面シングルで、両曲ともサウンド・プロデューサーにジェフ・ミヤハラさんを迎えていらっしゃいますね。

紗羅マリー:ジェフの信条として“アーティストと友人関係を築く”っていうのがあるみたいなんですけど、本当にそこからはじまっていて。はじめて会って、5分くらいで意気投合して“楽しいのつくろうね!”ってなったんですけど、“どんな音楽つくっていこう”とか、“リズムはどうしよう”とか、“仕事”っていう感じの話は一切なくて。それよりも“どんな音楽が好き?”とか、“最近どこ行った?”とか、お互いに普通の会話を交わす中で、私っていう人間を見てくれている感じで。そこからパソコンに向かって30分くらいしたら、もうメロディができ上がっていて、しかも、ちゃんと私らしい音楽なんですよ。“なんで、この人はこんなことをできちゃうんだろう”って、本当に宇宙人かと思いましたね(笑)。

 紗羅さん自身、作詞作曲にたずさわっていますが、制作はどのように進めたんですか?

紗羅マリー:曲の方は、今言ったように、私が“あんな感じがいい”とかって言うんじゃなくて、ジェフと一緒に“紗羅マリー”っていう人間を突き詰めていった時に、どんな音楽が出てくるのか。ただ、ジェフにポンと丸投げして、“紗羅マリーに似合う曲をつくってください”っていうんじゃなくて、“さぁ、はじめましょう!”から2人で一緒に同じ場にいてつくりあげていったので、そういう意味でクレジットに名前が入っているんです。

 詞の方は?

紗羅マリー:詞はまったくのはじめてで、「Cherry」が私の処女作なんです。人任せにするんじゃなくて、自分の言葉で、自分の思っている流れでちゃんと書きたくて。でも、いっぱい言いたいことや好きな言葉はあるんだけど、それを詞に書けって言われたら、どうしたらいいのかわからなくて、ポカーンみたいな感じで(笑)。そうしたら、ジェフや周りのスタッフの人たちが、「じゃあ、紗羅、それってどんな気持ち?」とか、「それって、どういう行動になると思う?」って聞いてきて、みんなが私の中にある引き出しをどんどん開けてくれて。そうやって五人六脚くらいの感じで、みんなに助けてもらいながら完成させた詞なんです。

 「Gossip」の歌詞は藤林聖子さんが書かれていますね。

紗羅マリー:この曲も私の言葉をいっぱい入れたくて、一緒に考えさせていただいたんです。藤林さんとはじめてお会いした時に、すっかり意気投合して、私からのアプローチで「お願いだから2人で1回デートしてください」って言って(笑)。それで後日、2人でカフェに集まってイメージ的なものを考えていたんですけど、お茶を何杯も飲んで、ケーキ食べながらみたいな感じで、ほとんどガールズ・トークみたいな感じになって。やっぱり女の子同士で集まると、仕事が絡んでいてもガールズ・トークがはじまっちゃうんですよね(笑)。で、それならいっそ、ガールズ・トークの話にしようってことになって。藤林さんの英語の使い方や言葉の上手いリズム感も入って、すごくいい詞ができました。

 新しい仕事をはじめて、新しい出会いがあると、刺激される部分は多い?

紗羅マリー:多いですね。とにかく1日における自分の行動の考え方が変わって、もったいない動きをするのはやめようって思ったし。あとは周りの人に対してサバサバした人間だったんですけど、自分で詞を書いて、言葉を考えはじめるようになってから、人の気持ちを知ろうとするようになって。たとえば、何かで相手を怒らせちゃったとしたら、「ゴメンね。でも、今どんな気持ち?」みたいに(笑)。それで余計に逆なでしちゃったりするんだけど、相手がどう感じているかっていうのが、気になるようになったんです。

 そういう面で視点が変わってきたと。

紗羅マリー:そうですね。私自身は、嫌なことがあったり、傷つくことがあっても、寝て忘れようとするタイプなので、あまり長引かないし、人よりも立ち直りが早いんです。だから、他の子が相談にきても、“いや、それすぐ立ち直れるでしょ?”みたいな感じだったけど、それって、私目線で捉えていたことなんだって気づいて。人がそんなに弱くて、もろいものなんだって知ったからこそ、明るい曲を書きたかったんです。

 カップリングの「BLUE」は、the Indigo(インディゴ)のカヴァーですが、この曲をカヴァーした理由は?

紗羅マリー:2曲ともアップ・テンポな曲だったので、カップリングはスローなものを見せたいなと思っていて。それも自然を大切にしたような感じで、アコースティックが似合う、屋外で歌える曲にしたかったんです。で、そういう曲はないかなって探した時に、「BLUE」がピッタリじゃんっていう話になって。声のトーン的にも無理がないし、音もきれいだし、私もすごく気に入ったので、この曲をやることになったんです。

 バックの波の音が印象的ですよね。

紗羅マリー:空や海といった“自然”を感じるような曲にしようと思ったので、波の音を入れたいなと思ったんです。それで私も含めて、スタッフみんなで海まで行って、浜辺で歌ったのを一発録りしました。“紗羅マリー”って、表に出て歌っているのは私ひとりなんだけど、それにたずさわっているスタッフはたくさんいて。みんなでお酒飲むと、決まってみんなが言い出すことがあって「俺、紗羅マリーの糸へんの下の点だから」とか、「俺、マリーのマの一番下のところ」ってことなんです(笑)。つまり、みんなで“紗羅マリー”なんですよね、私が代表なだけで。ギターと私のヴォーカルをスタジオで録って、波の音は別に録音したものを重ねてもよかったんですけど、“みんなで一緒に”というところに意味があって。仮に別々に音を録ることになっていたとしても、波の音を録りに行くのには、私も絶対に参加していたはず。そういう空気感が、この「BLUE」からは伝わってくれると思います。

 スロー・テンポの曲は、最初からオリジナルではなく、カヴァーにしようと考えていたんですか?

紗羅マリー:そうですね。というのも、私が好きになってカヴァーした曲を通して、そのもとになっている曲を聴いたり、それを歌っている人たちのこと知ってもらいたいなって思って。自分が興味を持ったことに対して、自分から調べる力というか、行動を起こすような人間に、若い世代の子たちになってほしくて。そういうところから、カヴァー曲をやりたいっていう気持ちがありました。

 紗羅さんが目指す理想のアーティスト像というのは?

紗羅マリー:自分の曲を、人の背中を押してあげたり、喝を入れられるような力のあるものにして、みんなの中のキーパーソンになりたいですね。だから、今作の「Cherry」にしても「Gossip」にしても嘘はないし、この先も自分の喜怒哀楽を入れて、大切なことや楽しいことを伝えていきたいと思っています。ライヴも、みんながスカッとして、ストレスをなくして帰れるように、思いっきりパワーを込めて歌うので、ぜひ遊びにきてください。


INTERVIEW:Shinji Takemura


02_AVCD-31820_130
●SINGLE
04.07 On Sale
「Cherry / Gossip」
紗羅マリー
AVCD-31820
¥1,260(tax in)

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