BORN CRAIN

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ベルギー出身のピアノマン、BORN CRAIN(ボーン・クレイン)が、ニュー・アルバム『ANATOMY』を10月27日にリリース! 美しいピアノの旋律と“今”の彼が感じた言葉で構成された良質のポップ・ミュージックが完成!!


 3年ぶりの来日ですが、改めて日本の感想は?

BORN CRAIN:3年前にも感じたけど、相変わらず素晴らしいね。僕だけじゃなく、マネージャーもバンド・メンバーも、前回来た時に日本がすごく好きになったから、こうしてまた来られたことをすごく喜んでいるよ。それと今回は、僕の彼女も一緒なんだ。僕が悪いことをしないように見張るために(笑)。

 彼女がいないと、何か悪いことをするんですか(笑)?

BORN CRAIN:とんでもない。彼女が一緒じゃなくても、いつも大人しくしているよ(笑)。彼女は日本に来るのがはじめてなんだけど、日本がどれだけ素晴らしいか教えていたから、今回来られたことをすごく喜んでる。東京だけじゃなくて、大阪にも行ったんだけど、いろいろな人との出会いがあって、急遽ライヴをやってきたんだ。大阪は東京とはまた雰囲気がちがっていたし、道頓堀っていう大阪の中心地でライヴをできたのはすごく光栄なことだと思ってる。すごくアットホームな感じでやれて、うれしかったね。

 10月27日に最新アルバム『ANATOMY』がリリースされましたが、このタイトルに込めた意味は?

BORN CRAIN:今作は僕にとって3枚目のアルバムになるんだけど、今まで以上にパーソナルなつくり方だったんだ。ファーストやセカンドは割と自分の殻に閉じこもった感じだったんだけど、今作ではそれを取り払って自分をさらけ出すことを目的のひとつにしていた。そういうこともあって、このタイトルをつけたんだ(編注:ANATOMY=解剖、構造/組織)。中でも、「This Is Me」はタイトルの通り“これが僕だ”っていうのを歌詞で語っているし、「Tell The World」では、このアルバムを制作した数ヵ月間に体験したことをそのまま歌詞にしている。それとメロディに関しては、僕はビリー・ジョエルやジョー・ジャクソンといった70年代のミュージシャンに強く影響を受けているから、彼らみたいにメロディ自体がしっかりとした良い曲っていうのを意識したね。

 今作はセルフ・プロデュースですね。

BORN CRAIN:最初のアルバムの時は、時間にも余裕があったし、はじめてのことばかりだったから、でき上がった曲をそのまま収録した。でも、セカンド・アルバムでは、ファーストを越えなくちゃいけないっていうプレッシャーがあったし、ファーストでのイメージがあったからすごく窮屈だったんだ。結果的には、ちゃんと自分でも納得のいく作品を出せたから満足はしているんだけど、そういういろんなしがらみを感じるなら、自分自身の手でやりたいっていう思いがあって、今回はセルフ・プロデュースにした。自由さを得られる反面、責任も背負わなきゃいけなくなったけど、今回はいろいろと感じることができたので、セルフ・プロデュースは自分にとってもいい経験になったよ。

 そこが、今までの作品との一番のちがい?

BORN CRAIN:そうだね。自宅に手づくりのスタジオがあるんだけど、そこで、僕はアーティストであり、ヴォーカリストであり、エンジニアであり、ミキサーでもあった。曲を一からつくって、レコーディングもミキシングも全部自分ひとりでやったんだ。ジャケットのアートワークに関しても、自分で写真を選んでいて、すべての面において自分のアイデアを発揮できたことは、自分にとってすごくいいことだったよ。

 今作の中で特に思い入れの強い曲はありますか?

BORN CRAIN:「New York Lady」かな。普通の楽曲は4拍子が基本なんだけど、この曲は3拍子にしていて、ワルツのようなテンポにしている。僕の好きなビリー・ジョエルの「Piano Man」もそういうリズムを持っていて、ポップでワルツのようなテンポを持つ曲をつくりたいと思ってチャレンジしたのが「New York Lady」なんだ。何年か前にニューヨークに住んでいて、街にすごく惚れ込んだことがあるから、そういう思いも含めてね。

 ニューヨークのどんなところにひかれたんですか?

BORN CRAIN:基本的に大都会はどこも好きなんだ。自分が育った場所と対照的っていうこともあるんだけど、ニューヨークをはじめとして、マンハッタンやブルックリンは、少し歩いただけでガラリと景色が変わるし、小さいエリアの中にいろんな音楽やカルチャーがひしめいていて、そういうところにすごくひかれたんだ。東京もそういう意味ではすごく魅力的なんだけど、言葉の問題があるから(笑)。それといろんな人種の人間がたくさんいるのも魅力だね。僕は人間ウォッチングが好きなんだ。カフェでお茶を飲みながら人を見るのとか。そうやって人を観察することによって音楽をつくる発想を得ることが多いんだ。

 ボーナス・トラックには末光 篤さん(SUEMITSU & THE SUEMITH)とのコラボ曲「Larger Than Life」が収録されていますが、このコラボはどんな経緯で?

BORN CRAIN:今までのボーナス・トラックには、未収録の曲やヴァージョンちがいの曲を収録していたんだけど、今回はセルフ・プロデュースということもあって、何か新しいことをしたいと考えていたんだ。それで、誰かとコラボをするっていうアイデアが浮かんだ時に、日本のスタッフから「こういうアーティストがいるけど」って教えてもらったのが末光さんだった。彼の曲を聴いてみて、彼自身ピアノマンということもあったからすごく共感して、ぜひ一緒にやってみたいと思ったんだ。ただ、お互いに仕事が忙しかったから、実際のレコーディングまでメールでのやり取りだけで、どんな曲に仕上がるのか想像できなかった。でも、レコーディングする時にベルギーで顔をあわせたら、言葉は通じなくても、音楽っていう共通のものがあったので、お互いをわかりあうことができた。たとえば、「ここはこうした方がいいんじゃない?」っていう、気になるポイントとかお互いに同じだったし。今回のことで、深いところまで理解できたから、次にまたコラボする機会があったら、もっとスムーズに、もっといいものができると思うよ。

 末光さんが作曲された木村カエラ「Butterfly」のカヴァーもしていますね。

BORN CRAIN:この曲を末光さんが作曲したということで聴かせてもらったんだけど、その時に“BORN CRAINヴァージョン”がつくれるんじゃないかと思ったんだ。歌詞は僕が書いたわけじゃないんだけど、メロディに関してはまったくちがう方法でアプローチしていって、自分が想像していた通りの納得いくものに仕上がったと思う。

 末光さんと一緒に仕事をして、同じピアノマンとしてライバル心のようなものは芽生えた?

BORN CRAIN:そういうのは全然ないな。お世辞じゃなく、彼の方がピアノのプレイは素晴らしいし、そもそも僕と彼では音楽性がちがうからね。僕の方がどちらかというとメロディやコーラスを重視しているし、歌う言語もちがう。もちろん同じピアノを弾いていても、テイストがちがうよね。だから、同じピアノマンとして共感はするけど、ライバルみたいな感覚は持ってない。

 リスナーには、今作からどんなことを感じ取ってもらいたいですか?

BORN CRAIN:このアルバムは自分の“今”を表現している。今年、僕は30歳になったんだけど、「Wishlist」や「Tell The World」は、30歳になって感じたことやセルフ・プロデュースをしてはじめて感じたことを書いた曲だから、こういう曲は2度と書かないというか、もう書けないよね。だから、次作がまた同じようなものになるとは限らない。そういう意味で、今作からは“今の僕”を感じ取ってほしいと思う。ファーストやセカンドと聴き比べてみて、僕の成長を感じ取ってもらいたい。特にアーティストとしては、成長しているっていうのを常に自分でも感じることが大事だと思ってるし、ファンのみんなも同じような曲を聴くよりは、僕の進化や変化を求めていると思うので、そういう期待に応えられるアルバムになっていると思うよ。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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10.27 On Sale
『ANATOMY』
BORN CRAIN
AVCD-38073
¥2,310(tax in)

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