D.W.ニコルズ

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L to R:千葉真奈美(b)、わたなべだいすけ(vo, ag)、岡田梨沙(dr)、鈴木健太(g)

男女4人で構成されるD.W.ニコルズが放つ、セカンド・アルバム『ニューレコード』。1月26日にリリースされた本作は、音楽と再び正面から向かい合い、表だけでなく裏側も描き出された、彼らの本質に迫る作品!!


 今作を制作するにあたって、軸となった曲はありますか?

鈴木健太:「一秒でもはやく」は、楽曲としても芯の通ったもので、アルバムを支える軸になっています。また、音のつくり方やアレンジの方向性も、この曲のレコーディングで確かな手応えを感じたので、同じ方向性で制作に取り組みました。

岡田梨沙:あとは「バンドマンのうた」と「beautiful sunset」ですね。この2曲がそれぞれ最初と最後にくることが決まって、そこからアルバムの色が一気に見えました。

 その方向性、アルバムの色というのは言葉にする?

千葉真奈美:“音楽をはじめた時の気持ちをもう一度思い出す”、“音楽に対する純粋な気持ちを表現したい”というのがテーマになりました。

わたなべだいすけ:それを表現した“作品”としてのアルバムになったと思います。

 今作は、ハッピー・ソングだけでなく、いわゆる“裏側”を見せるような曲も収録されていて、バンドとしてものすごく幅が広がっているなと感じたんですが、何かきっかけがあったんでしょうか?

わたなべだいすけ:一番大きかったのは“30歳”という年齢ですね。あとは余計なことを考えずにソングライティングできたことかな。

岡田梨沙:だいちゃん(わたなべだいすけ)が最後に書いてきた楽曲がそういう曲だったっていうのと、私たちメンバーもそれにシンクロするように、音楽ともう一度向き合おうという気持ちになっていたため、より自分たちの内側をえぐるような作品になったと思います。

 今作のレコーディングでは、“アナログ・レコーディング”を取り入れたそうですね。

鈴木健太:ずっとアナログ・レコーディングをやりたいと思っていたんですが、そう簡単に実現できることではなくて。今回はディレクターさんが僕らの意を汲んで、提案してくれたことが直接のきっかけになりました。アナログの生々しく温かい音質は、今作にピッタリだと思います。

岡田梨沙:アナログでレコーディングした音の説得力は、デジタルのそれとは比べ物にならないですね。実際には聴こえない空気感も一緒に閉じ込められる気がしますし。

 “ニューレコード”というタイトルは、すごくストレートですが、割とすんなり出てきた?

わたなべだいすけ:それがなかなか出てこなくて…。たくさんの案を出したけど、どれもみんなを納得させられず、最後の最後に思いついたタイトルがこれだったんです。

千葉真奈美:このタイトルが出てきた瞬間、響きも意味も納得できたので全員一致で決まりましたね。

 木をレコードに見立てたジャケットもユニークですが、このアイデアはどんなところから?

わたなべだいすけ:まさに“新しいレコード”というイメージによる僕のアイデアです。インパクトとオシャレ感がほしかったので。

鈴木健太:単純な思いつきだったけど“年輪”という意味もあって、僕らの年輪が詰まった作品です。また、年輪は1本1本、木によってちがいます。そして、木には温もりもあります。僕らが今、大切にしたいことですね。

 1曲目の「バンドマンのうた」は、淡々と語るような歌い方が印象的ですね。

わたなべだいすけ:“語るように歌う”というのは、まさにこの歌を歌う上で大事にした部分ですね。感情的になり過ぎないように。

鈴木健太:歌は“わかりやすく、感情を込めれば伝わる”とは限らないと思うんです。この曲は、歌詞にメッセージや物語があるので「淡々と歌うことでより伝わるものにしよう」とディレクションしました。

 「大船」は、神奈川県の大船を舞台に描かれていますが、大船とはゆかりが深いんですか?

わたなべだいすけ:僕の実家が神奈川県で、近いっていうのはありましたけど、特別なゆかりはないです。タイトルは後付けで、地元の葉山の近くの駅名で、誰にも使われてないのにしたくて探したら、ちょうどよかったのが「大船」だったという感じで。曲に関しては、“ヤング・ラヴ”を書きたくて、ショート・ムービーの脚本を書くような気持ちで作詞しました。

岡田梨沙:「大船」というタイトルになったのとは直接関係ないですけど、私は中学・高校の6年間、大船に通っていたので、個人的にうれしかったです(笑)。

 「風の駅」では、ヴォーカルが二重に重ねられていますね。

千葉真奈美:これはレコーディング中に試してみて、かなり良かったので採用しました。音源ならではの遊び心もあったし、曲自体もアルバム全体を通した中で、かなり印象度が増したと思います。

わたなべだいすけ:単純に同じヴォーカルを重ねているんじゃなくて、ワンテイク目を聴きながら、同じように歌ったアナログ・ダブリングです。

 「HAVE A NICE DAY」は、重いベースの音と高音のとがった感じのギターが印象深いですが、この楽曲イメージはどんなところから?

鈴木健太:タイトルから連想されるような、ただ明るい曲目ではないので、よりその闇というか、陰の部分を際立たせたかったんです。

千葉真奈美:ピアノ・ロックなイメージで制作して。ピアノがリズミカルな中、ベースやギターはその上を泳ぐような感じで、良いバランスに仕上がりましたね。

 「Ah! Ah! Ah!」は、すごく攻撃的で、今までのD.W.ニコルズにはあまりない楽曲ですが、サウンドづくりにおいて、特に重視したのはどんな点ですか?

わたなべだいすけ:僕としては自然にソングライティングした結果、こうなっただけで、特に攻めようとかは思ってなくて。ただ、アコースティックでも、こういうのができるんだよ、っていう挑発の意味はあります。

岡田梨沙:今まで自分の引き出しにはないサウンドでしたが、今回はいろいろ挑戦をしたかったのもあり、曲にもハマったのでああいう形になりました。

鈴木健太:アルバムの中で、スパイスの効いたものにしたかったので、中途半端ではなく思い切ってやろうと、音から演奏まで、振り切ってやりました。アコギとドラムでリズムを引っ張れるような音づくりにしました。

 「beautiful sunset」は、8分にも及ぶ大作ですが、この楽曲はどんなところから生まれてきたんですか?

わたなべだいすけ:“なくしてしまった”ということを、ちゃんと歌にして残したいな…と。残りの人生のためにも。

千葉真奈美:まさに今の音楽不況な時代に対する叫びのようなもので。あきらめてしまう人がたくさんいるけど、それでも信じて続けていくことの大切さだったり、音楽が好きという気持ちを忘れずに向き合っていきたい、そんな気持ちを忘れちゃいけないと思います。

 今作に込めた思いを教えてください。また、その思いを、リスナーにはどのように受け取ってもらいたいですか?

鈴木健太:大好きではじめた音楽。もう長い間、生活の中心にいつも音楽があって、その音楽に対する気持ちもいろいろ変わってきたけど、やっぱり何より音楽が好きで、だからずっと続けていて、今も音楽を信じ続けている、という思いを込めています。

岡田梨沙:受け取り方は、人それぞれ自由でいいんですが、“音楽”というものを愛する気持ちがものすごく詰まっているので、これを聴いて“音楽っていいなぁ”と思ってくれたらうれしいです。

 DVDには「一秒でもはやく」、「あの街この街」のPVの他、『ONENNIVERSARY TOUR ~あらためまして、こんにちは~』のライヴ映像が収録されていていますが、見どころは?

千葉真奈美:PVはどちらも女の子が出てきて、曲にあったストーリー仕立ての内容になっています。「あの街この街」は、メンバーの演奏シーンも躍動感があって見ものだと思います。

わたなべだいすけ:PVはどちらも学生時代からタッグを組んできたイケダケイタ監督に撮ってもらっていて。「一秒でもはやく」は、歌詞をさらにひろげた世界を映像化してくれたし、「あの街この街」は今までで一番演奏シーンにこだわって、たくさんのテイクを重ねて撮っています。

岡田梨沙:「一秒でもはやく」のPVは、2番のサビのだいちゃんアップの時の顔がすごく良い顔をしてるので、そこに注目してほしいです。「あの街この街」は、音と映像がものすごくシンクロしていて、メンバーみんながいろいろなおいしい演奏しているのがわかりやすいと思います。スピード感があるので目を離さずに観て下さい。

鈴木健太:ライヴ映像は、ニコルズがライヴ・バンドであるということがわかってもらえるような内容になっています。

わたなべだいすけ:ライヴ映像を観て、あの日を思い出したり、僕らのライヴに行きたいって思ってほしいですね。

 『最新記録ツアー2011』が3月19日からはじまりますが、こちらへ向けた意気込みは?

千葉真奈美:ライヴで初披露する曲もあるので、生で『ニューレコード』の世界観を全国に広められることが今から楽しみです。

岡田梨沙:ライヴでもいろいろ新しい試みに挑戦したいと思っています。『ニューレコード』の世界を存分に味わってほしいし、せっかくのライヴなので、より私たちの生々しい音楽を伝えられたらと思っています。気合い十分です!

わたなべだいすけ:最新の僕らを、心に刻み付けに来てほしいと思っていて、今からワクワクしています。みんな音楽とおなじくらい、愛してるぜベイベー! サンキュー!!


INTERVIEW:Shinji Takemura


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