D

01_D_610350


神が好む数字と言われる“7”を大事にしてきた、ヴィジュアル系ロック・バンドD。そんな彼らにとって、特別な意味を持つ“結成7周年”を記念すべく、3月24日には、ニュー・アルバム『7th Rose』が、3月31日には初のビデオ・クリップ集『D 1st Video Clips』がリリースされる!!


 今作には、どんな思いを込めているんですか?

ASAGI:こんなに長くやってきたバンドはDがはじめてで。7年という月日は長いようであり、短くも感じるんですが、すごく濃密な時間でしたね。このアルバムには、神やたくさんの方たちへの感謝の気持ちと、DがDであるがゆえの神髄が込められています。7周年については、去年リリースした『Genetic World』のレコーディングが終わる頃から考えていて。毎回、レコーディングが終わるたびに“次はどうしよう?”と考えるのが、習慣になっているんですが、タイトルは重要なので、早めに考えていました。

 今作は“原点回帰”をテーマに制作されたそうですが。

ASAGI:Dの音楽はひと言でまとめるのは難しく、歌詞、楽曲、世界観のどれをとってみても、多彩な部分があります。その中でも、色濃く表現してきたのが“薔薇”なので、7周年という記念すべきアルバムには、欠かせない存在になりました。

 制作する上で、特にこだわった点はありますか?

ASAGI:タイトルにはDの7周年に加えて、神が好む数字という意味で“7”が含まれているので、歌詞を考える際にひとつの共通点をつくりました。それは“数”で、全曲の歌詞に数字を入れているんです。といっても、数字を入れることに気を取られて、中身がおざなりになることは絶対にイヤだったので、世界観にもっともふさわしいバランスと場所を考えた上で、“数”をセレクトしています。

 表題曲の「7th Rose」は、声の使いわけが詞の世界観を引き立たせているなと感じました。

ASAGI:アルバム・タイトルは、すごく大事な意味を含んでいるので、それと同名の楽曲を、今作の楽曲づくりをはじめた頃から書きはじめました。歌の大切なところは心であったり、その背景にある世界観だと僕は思っているので、“いかにその部分を引き出せるか?”ということを重視した結果、声を使いわけています。たとえば、狼の遠吠えや怒り、薔薇の棘などを表現するために、シャウトやグロウルという歌唱法を使っているんですが、ただ単純に激しいからという理由ではなく、その楽曲のもっとも表現したい気持ちにマッチした歌唱法を採っています。

 ガラリと変化する曲展開も特徴的ですが、このサウンド・イメージはどんなところから?

ASAGI:楽曲の世界観ありき、というか、Dの楽曲は1曲の中で映画のように、静もあれば動もあります。楽曲のイメージは、だいたい本能的に感じるものから生まれる場合と、夢でのイメージが強いですね。

 「花摘みの乙女 〜Rozava Dolina〜」は、どんなところから?

ASAGI:“薔薇の谷”のイメージで、単に“薔薇が美しい”というところから離れた楽曲をつくりたいと思ったのがはじまりでした。そこで、世界第2の薔薇の生産国である“ブルガリアの情勢”をテーマにしました。ブルガリアの音楽が、奇数の変拍子を多用していることから、薔薇の花びらをイメージしたリズムになっています。ただ、楽曲的には難しくなってしまったので、演奏陣はすごく大変だったみたいです(笑)。民族音楽というのは、どこの国もですが、どこか寂しさと叙情的な部分があって、そこにすごく惹かれたので、そのイメージは残しています。

 「Crimson Fish」、「Independent Queen」は、女性目線で歌詞が描かれていますが、男性目線で描く場合とどんなちがいがありますか?

ASAGI:僕は詞を書く前に、必ずその中で小説を書けるくらい、表に出ないストーリーや登場人物の性格、そのシーンにおける気持ちや動きなどを設定するんです。なので、男性目線だからとか、女性面だからということで、特に意識は変えていません。歌っている僕自身は男性なんですが、その楽曲の主人公が男性に限定されると世界観の幅が狭くなってしまうので、性別に限らず、“人間”という種を超越した感覚で歌う時もあります。もちろん声の出し方や表現もちがいますし、その人、その種の性格や仕草、話し方、その時の心情を踏まえた上で表現しています。

 「13月の夢見丘」は、Dにとってどんな位置づけの楽曲なんですか?

ASAGI:この楽曲も変拍子があるので、オリエンタルな雰囲気に加えて、どこか懐かしさを感じさせる楽曲になりました。世界観としては、割と独立している部分もあるんですが、♪宙を浮く帆船♪という場面では「Night-ship“D”」が登場しますし、動物たちが出てくるという点からは「Mad tea party」とも連携させています。最後の行進曲的な部分は、架空の世界である「13月の夢見丘」で歌われている数え歌を動物たちの声でイメージしています。

 「絡繰り絵巻」は、感情のないはずの人形が、心を持つ姿が描かれていますが、このストーリーはどんなところから?

ASAGI:この曲はRuizaくんの作曲で、楽曲をもらってからイメージを何度も練り直した上で生まれました。はじめはちがうテーマで歌詞を半分くらい書いていたんですが、納得がいかなくて全部書き直しました。テーマを考える時に浮かんだイメージが、年老いた人形師が横たわって、その側に人形が寄り添っている感じだったので、そこから広げました。この先どんなに科学が進歩して人形が人に近づけても、人には一生なれませんからね。心を持った人形の、人形であるがゆえの性(さが)と悲しみを描きました。

 「閧の声」、「Sleeping beautiful beast」は、Dのもうひとつのテーマでもある“ヴァンパイア”をもとにした楽曲ですが、この2曲の対比は意識しましたか?

ASAGI:「閧の声」はヴァンパイアの王の息子の目線で、「Sleeping beautiful beast」はヴァンパイアの王の目線で、今までも何度か対比させています。親子なので容姿は似ていても、性格は生まれつきのものや育った環境によってもだいぶ変わると思うので、同じ血統とはいえ、考え方などはかなりちがうものとなっています。「閧の声」は「Snow white」の前にあたる位置でラストに近いですが、「Sleeping beautiful beast」はヴァンパイア・シリーズのかなりはじめにあたる部分ですね。

 初回盤は2形態あって、それぞれDVDと写真集がついていますね。

ASAGI:DVDには、「7th Rose」のビデオ・クリップが収められています。ビデオ・クリップは、楽曲のイメージが一番伝わりやすものだと思うので、いつも誤解を受けないように徹しています。こういう絵、シーン、効果がほしいなど、撮影場所以外にもお願いすることが多いのですが、監督さんが僕の望んだイメージを出来るだけ再現してくれたので、うれしかったです。“見どころはすべて!”と言いたいのですが、あえて言うならばヴェールを上げ、シャウトするシーンでしょうか。写真集は、40ページにもおよんでいて、かなり豪華絢爛で盛りだくさんの内容です。いつもたくさん写真を撮って、その中で数点のみ使用写真を選ぶのですが、今回も激戦を勝ち抜いた美麗な写真が並んでいます(笑)。この写真はここでしか見られないものなので、ぜひ見ていただきたいですね。

 3月31日には、ビデオ・クリップ集も発売されますが、過去のビデオ・クリップを振り返っての感想は?

ASAGI:楽曲や映像と共に記憶が蘇るので、どれを見ても懐かしさがあって、いろんな気持ちになれますね。どの映像も、過去において、その時一番輝いている瞬間だと思います。昔からDを応援してくださっているみなさんにも、最近Dを知ってくださったみなさんにも、Dの歴史を感じながら楽しんでいただけると思います。

 テレビのレギュラー番組のダイジェスト映像も収録されていますね。

ASAGI:テレビにレギュラーで出演するということは初でしたので、貴重な体験をさせていただきましたね。全国地区での放送ではなかったので、これを機に放映時には見れなかった地域の方にもご覧いただけるので、うれしいです。なかなか目にすることはない、メンバーのちがった一面を見ていただけると思います(笑)。

 『D 7th ANNIVERSARY TOUR 「7th Rose」』が、3月13日からスタートしましたが。

ASAGI:個人的に、体調不良でFCライヴへの参加を断念せざるを得ないこともあったので、7周年に込めた気持ちにプラスして、感謝と復活した僕の熱意を伝えていきたいです。そして、Dというバンドは唯一無二であり、“不滅の薔薇”であるということをアルバムとツアーを通して、みなさんへ届けたいです。心ない音楽は感覚を麻痺させても、決して癒してはくれません。せわしなく過ぎていく時間の中で生きていると、人は夢を忘れ、本当に大切なことを見失いがちになります。Dの楽曲を聴いたみなさんが、自分らしい自分にもう一度出逢えるように、そんな思いを込めて歌い、奏でています。みなさんの支えもあって、Dは7周年を迎えることができそうです。本当にいつもありがとうございます。これからも永遠にDはDらしく存在し続けます。そして心を込めた音楽をずっと、ずっと続けていきますね。


INTERVIEW:Shinji Takemura


02_AVCD-38012B_130
★初回生産限定盤A
●ALBUM+DVD
03.24 On Sale
『7th Rose』
D
AVCD-38012/B
¥3,800(tax in)

03_AVCD-38013_130
★初回生産限定盤B
●ALBUM+写真集
03.24 On Sale
『7th Rose』
D
AVCD-38013
¥3,999(tax in)

04_AVCD-38014_130
★通常盤
●ALBUM
03.24 On Sale
『7th Rose』
D
AVCD-38014
¥3,000(tax in)

05_AVBD-917656_sho_130
★初回盤
●DVD2枚組
03.31 On Sale
『D 1st Video Clips』
D
AVBD-91765〜6
¥7,350(tax in)

06_AVBD-917656_tsu_130
★通常盤
●DVD2枚組
03.31 On Sale
『D 1st Video Clips』
D
AVBD-91765〜6
¥7,350(tax in)

コメント :

コメント投稿:





※コメントは承認制です。承認後表示されます。

« 加護亜依 | Leyona »