峰香代子

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昨年1月より配信限定シングルを12ヵ月連続でリリースした峰香代子。その集大成となるメジャー・ファースト・アルバム『十三夜の月』が2月24日にリリース! 12ヵ月を通して得たもの、そしてアルバムに込めた思いとは!?


 昨年1年間の集大成とも言えるアルバム『十三夜の月』が完成しましたね。

峰香代子:1年間やってきたことが全部詰まっているアルバムなので、もうホント感無量です!(笑)。

 “12ヵ月連続リリース”というのは、かなり大変な作業だったと思うんですが、その中でご自身にとって糧になったことには、どんなことがありますか?

峰香代子:1月だったら気づかなかったことがあっても、12月にはたくさん気づけたなと思います。それは、曲に対してということもそうなんですけど、それ以上に一緒につくっているみなさんのことや、人間的に大事なことにも気づけたので、アーティストとしてだけでなく、人間としても成長できたかなと思います。

 そのあたりは日常生活でも実感することはありますか?

峰香代子:ありますね。学校とか会社とかに行っていたりすれば、人間関係の中で自分が今どの位置にいるかとか、周りの人を見て私ももっと頑張ろうとか、ここを直そうって感じることもあると思うんです。インディーズの頃はもっと自由にやっていた部分が多かったんですが、この1年間は自由な部分もありつつ、みんなでひとつのものをつくり上げるという中で、自分がどういう風に考えたらよいかなど、人との接し方も学べたので、日常生活の中でも“ここはちょっと大人になろう”とも考えられるようになりました(笑)。

 インディーズ時代だとストレートに出てしまっていたものが、1回立ち止まって見られるようになったと。

峰香代子:そうですね。インディーズ時代は今よりも、ちょっとトゲトゲしていたかもしれません(笑)。

 今作には、昨年に配信リリースした12曲の他に、インディーズ時代の「CHILD」も収録されていますね。

峰香代子:この曲にはちょっと特別な思いがあったので、今作に再録しました。ライヴでも何回も歌ってきていて、インディーズの頃より曲に対する理解度も深まっていたので、レコーディングに向けて、こういう風につくろうというのではなく、1年を通して徐々に深めてきて、できあがったものをいつも通りに録音しました。

 昨年夏にリリースしたシングル「ひまわり駅」の時も、同じようにインディーズ時代の曲「おかえりブルー」を収録していましたが、やはり同じ曲の方が成長した姿を見せやすいというところが、収録した理由なんでしょうか?

峰香代子:それもありますが、この曲には周りの人たちも「他の曲とはちょっとちがった力がある」と言ってくださっていたので、そこも理由のひとつとして大きかったですね。

 タイトルの“十三夜の月”というのは、13曲収録されているところからきていると思いますが、“13”という数字から“十三夜”というのはすぐに結びついたんですか?

峰香代子:いろいろな意見があって、“13曲”とか、“12ヵ月”というところから離れた別のタイトル案もあったんですが、“一番大切なことは何か?”って考えた時に、12ヵ月も応援してくださった方や一緒につくってくれた方がいたからこそできたアルバムだなと思って。そこに結びつけて、なおかつわかりやすいものにするためには、収録曲数である“13”という数字を入れようということになって。そこからは、比較的すんなりと出てきましたね。

 “十三夜”という言葉は、どちらかと言うとあまり耳慣れない言葉だと思うんですが、そのあたりで、たとえばもう2曲追加して“十五夜の月”にしようという考えはなかったんですか?

峰香代子:それはなかったです。歌詞を書く時もそうなんですけど、性格的にちょっと変わったものが好きというか(笑)、少し普通じゃないものに心ひかれるところがあるんです。だから、もし最初から15曲あったとしたら、逆に2曲削って13曲にして、このタイトルを付けていたかもしれないですね(笑)。

 ありふれたものにはしたくなかったと。

峰香代子:そういうところがまだ子供なのかな(笑)。もっと大人になったらストレートになれるのかもしれないですけど。

 アルバムに収録するにあたって、何曲か再録されてますが、狙いは?

峰香代子:これまでの1年間ってただ何となく過ごしてきたこともたくさんあったんですが、昨年はひとつずつ積み重ねたことによって、1年の間でもすごく差が出るんだなと実感した1年で。歌も今ならもっとよくできるとか、演奏に関しても、こういう楽器を使えばもっとちがう表現ができるかも、などいろいろと気付けたので、そういうところを録り直しています。

 「約束」、「僕の木」、「ガリレオの夢」は、“天使”をイメージさせる言葉が出てきて、3作につながりを感じたんですが、これは意図的なものなんですか?

峰香代子:歌詞は、どんなに暗い風景があったり、暗い曲調でも、最終的には希望を持てるような前向きなものにしようと決めています。その時の自分の気持ちが反映される部分が大きいので、もしかしたらその時期は気持ち的に近いものがあって、それが自然と出ちゃったのかもしれないですね。だから、意図的というわけではありません。

 具体的には“翼”や“羽”、“天使”には、どのような意味を込められているんですか?

峰香代子:「約束」と「僕の木」は、“翼を持って飛んで行きましょう”というイメージで“翼”、“羽”という言葉を使っています。「ガリレオの夢」は、舞台は宇宙というか星なんですが、内容としては内面的なことを書きたくて。天使と堕天使がいるんですが、天使は“本当に大事なもの”の象徴として、そしてそれは“実は近くにあるんだ”っていうのを表現してみました。

 曲順に関しては、配信順に収録されていますが、並び替えなどは考えなかったんですか?

峰香代子:個人的には、この並びではなく、こういう曲順もいいかなと思ったのはあったんですけど、スタッフのみなさんと話し合っていく中で、タイトルを“十三夜の月”にしたことと同じように、みんなで一緒につくったということや、12ヵ月通してやってきたことを大切にするべきじゃないかというところにたどり着いて。そういう意味では、やはり配信された順番に並べるのが一番なのかなっていうところで、この並びになりました。

 DVDには「CHILD」、「ひまわり駅」のPVに加え、オフショットが収録されていますね。

峰香代子:「CHILD」のPVは素の自分というか、違和感なくナチュラルに、ライヴのような感じでできたので、物語に迷い込んだような感じで観てもらえればなと思います。「ひまわり駅」は、もともとピアノの弾き語りで活動をはじめたので、元気な曲を元気に歌うっていうのがあまり得意ではなく、ちょっと悩んだりもしたんですが、撮影当日は楽しくできたし、観て楽しいなって思ってもらえたらうれしいですね。それとオフショットは、アルバムができるまでの過程というか、制作の裏にある葛藤とか、どれだけの期間がかかって、どんな人たちがつくっているのかわかるので、これを観た後にまたアルバムを聴いてもらえると、少しちがって聴こえるかなと思います。

 このアルバムで、昨年やってきたことがひと区切りとなりますが、これからの目標は?

峰香代子:最近、打ち込みを覚えて、ピアノだけでつくる曲とは、またちがった表現ができるので、今はそれに挑戦しています。自分の中でちょっと過激な曲というか、自分の限界より少し上を目指して、去年みたいに成長できたらなって思っています。

 “自分の限界より少し上”っていうのは、すごく難しいですけど、やりがいはありますよね。

峰香代子:そうですね。結構“もう無理”って思いやすいタイプなんですけど(笑)、去年1年間みなさんに叱咤激励されながら積み上げてきたものを、今年活かせなかったら意味がなくなってしまうので、頑張ろうと思っています。


INTERVIEW:Shinji Takemura



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