Layla Lane

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L to R:VALERIE, HEDAY

日本人のHEDAY(ヒデ)とアメリカ人のVALERIE(ヴァレリー)によるユニットLayla Lane(レイラ・レーン)。10月13日にリリースされたデビュー・シングル「Happy Lane」(コカ・コーラCMソング)に続き、11月24日には早くもファースト・ミニ・アルバム『Happy Lane』のリリースが決定!!


 HEDAYさんはビートルズに憧れて中学時代からバンド活動をはじめたそうですが、楽器をはじめたのはいつごろ?

HEDAY:物心がついた頃からピアノをやっていました。7歳くらいまでですけど。当時、兄と姉が2人ともピアノを弾いていて、小さい子って兄弟がやっていることをマネしたがるじゃないですか。それで僕も“ピアノをやりたい!”って言って駄々をこねたらしいです。本人は覚えてないんですけど(笑)。そこから楽器はやっていなかったんですが、ビートルズと出会って、中学からギターをはじめたんです。

 VALERIEさんは大学でクラシック・ピアノを専攻していたそうですが、やはり小さい頃から??

VALERIE:ええ。兄の友達がピアノを弾いているのを見て、“あれは何?”っていうくらい衝撃を受けて。それで興味を持って習いはじめたの。

HEDAY:ピアノをはじめた時期で言えば僕の方が先だったから、ずっと続けていればVALERIEより上手くなっていたかも。

VALERIE:“もしかしたら”ね(笑)。

 2人ともビートルズ・ファンとのことですが、ビートルズを聴きはじめたきっかけは?

HEDAY:僕は小学生の頃からサザン・オールスターズのファンだったんですけど、桑田さんの著書でビートルズやジョン(・レノン)が絶賛されているのを読んで、聴いてみようと思ったんです。そうしたら、ものすごく衝撃を受けて。“こんなエネルギッシュな曲があるのか!”と。それに彼らのハーモニーってすごくきれいじゃないですか。ジョンとポール(・マッカートニー)の2人の声がちゃんと聴こえてくるんだけど、どちらが主旋律なのかわからない。それくらい美しいハーモニーに、すごくひかれました。

VALERIE:私は両親がビートルズ好きで、毎週日曜日の朝はビートルズを聴きながらご飯を食べていたの。それと『イエローサブマリン』っていう映画(ビートルズの同名楽曲をモチーフにしたアニメ映画)が大好きで。5歳の時点で、その曲が一番好きだったわ。

 HEDAYさんはその後、ビートルズの中にクラシックの要素を見いだして、クラシックを学ぶために留学されたそうですが、留学先にアメリカを選んだのはなぜ?

HEDAY:中学からずっとロック少年で、ビートルズ一辺倒だったんです。それでとにかくロックをやりたくて、ロックで成功したくて、アメリカに渡ったんです。だから、クラシックを学ぶためにアメリカに留学したわけじゃなくて、ロックを追求するためにアメリカに渡って、そのオプションとしてクラシックを学べる環境があったからクラシック・ギターを学んだ感じですね。当時、“自分のロックを高めるためには、どうしたらいいか?”って考えた時に、ビートルズはジョージ・マーティンの影響を受けていて、そのジョージ・マーティンはクラシックを学んでいたので、それなら“自分もクラシックを勉強したら、いいロックができるんじゃないか?”って思ったのが、クラシックを勉強することに決めたきっかけでした。

 クラシックを学んだことで、特にどんな面でプラスになりましたか?

HEDAY:作曲とアレンジの部分で、すごく参考になっています。演奏技術とかの他に、クラシックの歴史も必須で勉強しなくちゃいけなかったんですけど、“この頃はこういう時代背景で、こういうことを表現するために作曲家はこういう技法を使った”という教え方で、すごく納得できたんです。それで“ああいう時にはあんな表現ができたんだから、自分がこう表現したい時はこういう表現ができるな”っていうのが感覚的につかめて、それが今の作曲にすごく活きています。

 VALERIEさんはクラシックをずっと学んできて、こうしてHEDAYさんとバンドを結成したわけですが、最初の頃とまどいはなかったんですか?

VALERIE:それまでずっとクラシックだけで、ポップやロックを弾くのは、HEDAYと出会ってからがはじめてだったんだけど、自然にできたわ。それまでに学んできたことが、ポップやロックの道へと自然にリンクしていたので、特別なことは何もなかった。

 HEDAYさんのプロフィールを拝見して、コンビを組んだVALERIEさんをはじめ、さまざまな出会いに恵まれているなと感じたんですが、ご自身ではそのあたりをどう感じていますか?

HEDAY:確かに周りからも「HEDAYはヒキが強い」って言われるんですけど、みんなそういう運は同じように持っていると思うんですよ。ただ、ヘラヘラしているだけでは、来るものも寄ってこない。たとえば、自分にチャンスが巡ってきた時に、それに対する準備がキチンとできていないと、当然チャンスをものにすることはできないし、チャンスすら巡ってこないと思うんです。そのために自分は常日頃から自分を最高の状態に高める努力をしていたし、実際にチャンスが巡ってきた時に、その甲斐があってチャンスをものにできた。チャンスは誰にでもあるから、そのために努力を怠っちゃいけないし、そういう努力が引き寄せる力っていうのを信じてほしいなと思います。

 “ビートルズが好き”、“クラシックを本格的に学んだ”という共通点を持つ2人ですが、それ以外に共通点はありますか?

VALERIE:何もないわ(笑)。性格が真逆なの。HEDAYは何か目標を持つと、それに向かってまっすぐ進んで周りのことが目に入らなくなるタイプだけど、私はいろんなことをバランスよく進めていくタイプだし。

HEDAY:僕は日本のスポ根マンガ系なんです。『空手バカ一代』とか『巨人の星』とか(笑)。そういうことを経験してこそ、自分の中の人間性が深みを増すと思うし。

VALERIE:それとHEDAYは自分の考えに否定的な意見をぶつけられると、“それはちがう!”って証明するようなアクションを起こすわね。私は何を言われても別に気にしないんだけど。

HEDAY:自分が“こう!”って思ったら、何があっても証明しないと気が済まないんですよ。人からは確実に嫌われるんですけど(笑)。

 ディベートするのが好きなんですか?

HEDAY:疲れるから好きじゃないんですけど…性格的な問題ですね(笑)。

VALERIE:それがあなたの問題よね(笑)。

 ちなみに2人で言い争いをすることは、よくあるんですか?

HEDAY:やっぱりアメリカと日本じゃ、すごくちがいがあって、日本人の友達に「これってこうだよね」って同意を求めるとうなずいてくれるんだけど、アメリカ人に言うと「は?」っていう感じで。

VALERIE:それぞれバックグラウンドが全然ちがうから、もちろんぶつかってしまうことはあるわ。それに、HEDAYはよく「アメリカ人は○○だ」って言うけど、アメリカ人をひとくくりにされても困るし(笑)。

HEDAY:たとえば、ギターの練習をやりすぎて腱鞘炎になってしまった場合、その痛みをこらえても弾くっていうところに日本人は美意識を感じるじゃないですか。でも、アメリカ人は「腱鞘炎になるまで放置したお前がバカだ」ってなるんですよ。僕からしたら腱鞘炎は“勲章”くらいの価値があって、それを乗り越えてこそ、本当の人間的な強さが出ると思うのに。そういうところに文化のちがいというか、気質のちがいっていうのを感じてしまいますね。

 10月13日にリリースされたシングル「Happy Lane」でデビューしましたが、実感はありますか?

HEDAY:“わぁ、デビューだ!”ってもっと舞い上がるかと思ってたんですけど、いきなりデビューが決まったわけじゃなく、過去があって、その延長線上、小さな積み重ねの結果のひとつが“デビュー”だったし、ここはあくまでも通過点なので、思っていたよりも冷静でいられましたね。

VALERIE:シングルが出ることは、今までやりとりしていた過程でわかってはいたんだけど、実際にお店でCDが並んでいるのを見た時はすごく衝撃を受けて。以前にも自主制作でEPをつくったことがあって、自分たちで全部やったけど、今回はすごく大きなスケールで、しかもアメリカじゃなく日本で売られるっていうことにすごく興奮してる。

HEDAY:今こうやってインタビューを受けているのもすごく新鮮というか。今まで悶々と抱えて、思っていることがあっても、身内に愚痴のようにぶつけていたけど、今はみんなに発信できることが、すごくうれしいです。

VALERIE:今まではファンといっても身内か、それに近い人たちばかりだったしね(笑)。私たちは何も変わっていないけど、周りがちがった反応をみせてくれることにすごく感謝しているの。

 この「Happy Lane」は、コカ・コーラのCMソングにもなっていますが、そのためにつくった曲なんですか?

HEDAY:そうです。もともと♪Sunday Monday Tuesday〜♪っていうのは、アメリカの童謡みたいなもので、それをティーン向けに、フレッシュに、コカ・コーラ的にアレンジしてほしいっていう依頼を受けて取り組ませていただいて、全部で26ヴァージョンくらいつくったのかな。その中から、今回のパンクっぽいヴァージョンのが選ばれてCM用の短いやつができ上がったんです。それが好評をいただいて、これをモチーフに1曲つくってシングルを出そうって話につながったんです。

VALERIE:高校の時によく聴いていたポップス的な要素がすごくたくさんあって、その頃のことを思い出してすごく興奮したわ。つくっていくのも、アレンジしていくのもすごく楽しめたし、♪Sunday Monday Tuesday〜♪っていう15秒くらいの音楽を1曲に広げていくのはチャレンジだったわ。

 そういう一部から曲をつくるやり方というのは、はじめての経験?

HEDAY:クラシックもひとつの音楽要素をモチーフに、発展させていく書き方なんで、いつも通りという感じでした。“Happy Lane”って“幸せの道”っていう意味ですけど、その“幸せ”っていうのが“お金が入って幸せ”とか、“好きな子とキスができて幸せ”とか、そういうことじゃなくて、さっき話したように“自分を高めていくのが一番の幸せなんだ”っていうメッセージを込めています。

 11月24日にはミニ・アルバムがリリースされるんですが、「Happy Lane」から想像していたのとはかなりちがっていたので驚きました。

HEDAY:どちらかと言うと「Happy Lane」の方が、僕らとしては珍しい楽曲で。僕たちが今までやってきた音楽は、このミニ・アルバムに入っている「Happy Lane」以外の曲みたいな感じで。アルバム用にとっておいてある、もっとマニアックな曲もたくさんあります。

 収録曲の選曲はどのような感じで?

HEDAY:僕らロサンゼルスに住んでいるんで、日本でどんな音楽が今、流行っているかうといんですけど、そんな中でも日本の人たちに楽しんでもらえるだろうと思った曲をピックアップしています。ビートルズが好きって言ったんですけど、ビートルズの時代って、アーティストがリスナーを音楽で引っ張っているところがあったと思うんですよ。「俺たちがいいと思うのはこれだ! これにお前らがついて来い!」みたいな感じで。だから、このミニ・アルバムに入っている曲は、リスナーのみんなに“僕らはこういう音楽をやっているんだ”っていうのを投げかけています。これを入り口にして僕らに興味を持ってもらえたらと思います。

VALERIE:Layla Lane自体がバンドとして、どんな文化でも、どんな音楽でも、いろいろチャレンジしていこうと思っているので、リスナーの人にもそういった気持ちで聴いてほしい。1曲でもいいから、ひとりでも多くの人に引っかかってくれたら、うれしいわね。

 ヴォーカルは「Happy Lane」や「Kage」のように2人がバランスよく絡み合ったり、「No More」や「Taiyo」のようにそれぞれがメインになったりとレパートリーが広いんですが、歌い分けはどのように?

HEDAY:これもビートルズにならっているんですけど、最初の方で話したように、ビートルズの魅力のひとつは、ジョンとポールっていう2人のヴォーカルがいることだと思うんです。どちらがメイン・ヴォーカルというわけではなく、2人ともメインみたいな。それをLayla Laneで実現させたくて。「Kage」ではまさに2つのメロディが重なって聴こえるんですけど、どちらが主旋律というわけではなく、2人ともが主旋律というところを目指しています。

 「No More」は落合賢さんを監督に迎えてPVを撮影されていますが、すごくユニークな内容ですよね。

VALERIE:全部、逆巻きで撮影しているから、すごく大変だったわ。プールに落ちるシーンがあるんだけど、何回も撮り直してプールに落ちたし、そのたびに髪を乾かすのが大変だった(笑)。1日で撮影したんだけど、すごく長い1日だったわ。

HEDAY:僕なんか楽でしたよ。やれって言われたことをやっていただけですから(笑)。ただ、撮っている間は、どんな風になるのかわからなかったですけど。

VALERIE:ホント、ひとつひとつのシーンがどういう風につながるのか想像がつかなかったけど、映像を見て、すごくいいPVに仕上がっていたから感動したの。ヒールを履いて、階段を後ろ向きに登るシーンは恐かったけど、今はそこが一番のお気に入りね。

HEDAY:俳優の友達がこのPVを見て、「このビデオはすごい。でも、一番最悪なパートはお前の演技だ」って言われました。「ちょっとしか出てこないのに最悪だ」って(笑)。

 Layla Laneの音楽を通して、どんなことを伝えていきたいですか?

HEDAY:日本の人たちにもっと頑張って、世界と対等にやっていく勇気を持ってもらいたいと思うし、実際にやれば肩を並べられると思うので、そういうのを伝えていけるバンドになりたいです。そういう意味でも、僕ら日本人とアメリカ人で組んでいるわけだし。今回、幸運にもこうやってデビューさせてもらったのは、きっと僕らが体験してきたことを世間に広めていけっていうサインだと思うんです。だから、僕らの経験をみんなに還元して、みんなが頑張れるインスピレーションを与えていきたいと思います。

VALERIE:何かを起こしたいのであれば、ただそこに立っているだけじゃ叶わないんだってことを伝えたい。私たちがこうやってデビューできたことは、すごくラッキーなことなんだけど、ラッキーだけじゃなくて、今までいろいろと計画を練ったりして、本当に地道に努力をしてきたからであって。自分の殻に閉じこもっていないで、その殻を破って、自分からアクションを起こしてみて!


INTERVIEW & TEXT:Shinji Takemura


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