Seek

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 Seekさんがラップをはじめたきっかけは?

Seek:高校の頃にラップをやっている友達がいて、曲も詞も自分たちでつくっていたんですね。それまでの私にとって、“音楽”っていうのはテレビやCDの中だけの存在で、“自分でつくる”っていう発想がなかったんです。それですごく興味を持って、“トラックはどうしてるの?”とか、“サビとバースの構成なんて、どうして知ってるの?”とか、いろいろ聞いてみたんです。だけど、納得がいかなくて、しつこく聞いたら“自分でつくればわかる”って言われて。それでラップを自分でつくってみたのが、最初のきっかけでした。

 実際に自分でつくってみて、納得はできたんですか?

Seek:いや〜、いまだにわからないところがたくさんありますね(笑)。私のラップは人から“変わってる”ってよく言われるんですけど、それが原因なのかなと。だから逆に、全部わかっちゃったら、私の色がなくってしまう気がするので、ずっとわからないままの方がいいのかも(笑)。

 ‘06年の『avex STARZ AUDITION 2006』東海大会で優勝しましたが、その頃からラップを仕事にしようと考えていたんですか?

Seek:“ラップを仕事にしたい”っていうのは、ラップをやりはじめた頃から思っていたけど、小さい子が何かに憧れるような“現実味のない夢”としてであって。それはオーディションで優勝した後も変わらなかったんですけど、最近ですね。自分のCDを現実につくれるっていう環境になって、音楽を通していろんなことをやりたいなと思うようになりました。今も“仕事”というよりは“真剣にやる遊び”みたいな感覚があって、タイトルを“tic tac toe.”にしたんです。

 直訳すると“○×ゲーム”という意味ですよね?

Seek:そうです。ゲームだけど、一生懸命どうするか考えながら、相手とコミュニケーションを取る遊びじゃないですか、“○×ゲーム”って。私の仕事に対するスタンスもそんな感じなので。それから文字の見た目と言葉の響きが気に入ったのもあって、“tic tac toe.”にしました。

 “Seek”というアーティスト名は、オーディションの時から使っていますが、これはどんなところから?

Seek:自分でラップをつくって、イベントで歌うってなった時に、本名はイヤだったので、DJの友達と一緒に“なんかいいのないかな”って考えて。“seek”には“探す”とか“探し求める”っていう意味があるんですけど、私って目標を持っていないというか、常に“自分の目標ってなんだろう?”って探している部分があるので、その探究心をいつまでも失わないようにという意味を込めています。

 今作に収録された11曲は、すごく振り幅が広いんですが、すべてこのアルバムのために制作したんですか?

Seek:そうです。本当は、もっとあったんですけど、全部は入れられなかったので、その中から自分がカッコいいと思ったものや自分の気持ちが込められたもの、自分が思っていることをきちんと伝えられるものっていうところで11曲選びました。

 中でも、思い入れの深い曲は?

Seek:「Dear friEND」かな。モヤモヤした時とか、楽しいことがあった時とか、すごく気持ちに残ったことを日記みたいな感じでノートに書いてるんですけど、このリリックの元になる文章も、ずっと前に何ページにも渡って書いていて。本当はリリックにするつもりはなかったんですけど、この気持ちに合ったいいトラックをもらったので、書いてみました。改めて読み返してみて、“私が悪かったかな”とか考えつつまとめていったら、それだけに気持ちがギュッと詰まって。最終的には友達と仲良くなれなかったっていう話で、ハッピーな気持ちになる曲じゃないんですけど、自分の中にあった本当の気持ちを書きました。

 全体的にはテンションの上がるハッピー・ソングが多いですよね。

Seek:いわゆる“ディスる曲”っていうのが、あまり好きじゃないというか。「Dear friEND」や「カゾエウタ」は、ちょっとそういうところがあるんですけど、前にやっぱりそういう感じの曲があって、ライヴで歌ったら全然気持ち良くなかったんです、自分が。何の得にもならなかったし、あまり意味がない気がして、それからあまり書かないようになりましたね。もちろん、そこに意味があれば書くと思うけど、今はそういう気持ちもないし、遊んでばかりいて楽しいから(笑)、ハッピーな曲が多いのかな。

 アルバムの流れとして、テンションの高いところからはじまって、アップダウンが繰り返されていますが、これは曲順を決める上で意識したところ?

Seek:そうです。個人的には「すき だから」をどこに置くか、すごく迷いましたね。このアルバムの中で、唯一の歌ものなんですけど、最初は自分の中でこの曲が“歌”っていう認識がなくて、ずっと何かが引っかかっていたんです。それで、人から“これは歌だよ”って言われて、引っかかっていた原因はこれだったんだと気付いたんですけど、入れる場所が見つからなくて(笑)。一番収まりのいいところをなんとか探して、入れた感じです。

 初回盤には、「おんなの子」と「シャLALA!!」のPVが収められたDVDがセットになっていますが、こちらの見どころは?

Seek:「おんなの子」は、振りや動きに関して、ライヴで歌う感じを意識してやっているので、それを見てもらいたいですね。それで、楽しそうだなと思ってもらえたら、ぜひライヴにも足を運んでください。あと、普段は全然履かないスカートを履いているので、そこは逆にあまり見てほしくないというか…流してください(笑)。

 「シャLALA!!」の方は?

Seek:キッチンのシーンかな。ブログに載せていたポップコーンを食べる写真を監督さんが見て、そこからこのPVのインスピレーションが広がったそうなので。相当おいしそうに食べていたんでしょうね、私(笑)。オタマをマイクに見立てて歌っているところとか、小さい子が見てマネしてくれたらうれしいです。それと地元のデザイナーさんが私をモチーフにつくってくれたキャラクターのパペットが出てくるんですけど、撮影の当日までパペットをつくっているのを知らされていなくて。そのパペットと私の絡みにも注目してください。

 最後にSeekさんの目指す理想のアーティスト像を教えてください。

Seek:外国の方で、しかも男性なんですけど、リュダクリスに憧れていて。ラップもカッコいいし、すごく個性的で面白いし。ちょっとトボケたところもあるんだけど、それも実力があるからこそのことで。自分もそうなれたらなと思っています。意味のある“遊び”をしていきたいですね。そういう意味では、今作には11曲入っているので、その1曲1曲と遊んでもらえたらと思います。これからもみなさんと一緒に遊べる曲をつくっていくので、ぜひSeekの曲を聴いて、Seekと一緒に遊んでください!


INTERVIEW:Shinji Takemura


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