大橋トリオ

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昨年11月にメジャー・ファースト・アルバム『I Got Rhythm?』をリリースしたばかりの大橋トリオが、早くも次なる作品をリリース! 3月10日には洋邦の名曲をカヴァーした『FAKE BOOK』が登場!!


 初のカヴァー・アルバム『FAKE BOOK』は、原曲の新たな魅力と同時に、大橋トリオの魅力も再発見できる1枚だと思うのですが、大橋トリオとしてカヴァー・アルバムを出してみたい、という思いは以前からあったんですか?

大橋トリオ:シンガーとして自分でも歌うようになったきっかけが“カヴァーを歌うこと”だったので、カヴァーというのは自分にとって非常に大事なものというか。なので、いつかやりたいなっていう気持ちはあったというか。ならば今やってしまえ、と(笑)。

 当時はどんな曲を歌ってたんですか?

大橋トリオ:ジェイムス・テイラーとかビリー・ジョエルとか、シンガーソングライター系の曲が多かったですね。

 今回はそういうものとはまたちがう、意外な楽曲もたくさんカヴァーされてますよね。

大橋トリオ:自分のルーツを知ってもらうためのカヴァー、というのもいいと思うんです。でも大橋トリオとしてはそういうのはライヴでやってるから、作品にするなら意外な曲の方がいいかな、という思いもあって。それで今回は曲を選ぶ時に、トム・ウェイツのように昔から大好きでライヴでもやってるような曲以外に、“こういう曲を大橋トリオ流にアレンジしたらどんな面白いものになるのかな?”っていう、周りの提案も聞いてみよう、と。海援隊の「贈る言葉」とかジェイソン・ムラーズの「I’m Yours」とかも周囲の提案で選んだ曲なんですよね。

 「贈る言葉」のようにインパクトが強くて誰もが知っている曲を、こんなにもさらっと自分流に歌ってみせるなんて、大橋トリオにしかできないことかもしれないですね。

大橋トリオ:結構、試行錯誤しましたよ。歌ってる時にどうしても髪を耳にかけたくなりますからね(笑)。そこをグッとこらえて、“大橋トリオ!”って、自分に言い聞かせつつ(笑)。

 「贈る言葉」がこんな内省的な失恋ソングだったことに気づかされたりとか、大橋さんが歌うことで各曲の歌詞の内容や意味がまたちがって響いてくる、というのも面白いですよね。

大橋トリオ:(歌い方が)ささやいてるような感じだからじゃないですかね。“歌ってる”というよりは、しゃべってる方が近いぐらいな感じだからとか。僕自身はよくわかんないですけど(笑)。

 全編生音で聴かせる宇多田ヒカルの「traveling」や、マイケル・ジャクソンの「HUMAN NATURE」も新鮮ですよね。

大橋トリオ:「travelling」はラジオでよくかかってた時に車で聴くことが多かったんですけど、ちょっとアクセル踏み過ぎちゃう、みたいな原曲のテンポ感に無意識にグッと来てたので、そこを活かした解釈にしようかな、と。マイケルの「HUMAN NATURE」はもともと好きな曲なんですけど、曲のインパクトというかアレンジのバランスも素晴らしくて。マイケルの曲はだいたいそうなんですけど、この曲もすごい緻密にできてるんですよ。自分でアレンジしてて思ったんですけど、このフレーズ要らないかなって思って抜いてみるとダメなんですよ。で、要らないと思った1音を入れてみるとやっぱバランス良くて。とにかく、よくできた曲なんですよ。

 大橋さん自身もカヴァーしながら原曲の魅力にあらためて気づかされた部分もある、と。

大橋トリオ:どの曲も文句なしにJ-POPや洋楽の名曲ですからね。だからこそ、アレンジ次第でどうにでもなっちゃうんだなってことがわかりました。自分のものにどれぐらいできてるかわかんないですけど、自分っぽく持っていけるものなんだなって。

 『FAKE BOOK』というタイトルの由来は?

大橋トリオ:ジャズの楽譜集で、日本に「STANDARD BOOK」、アメリカに「REAL BOOK」と「FAKE BOOK」というのがあるんですよ。最初はスタンダードにしようと思ったんです。収録されてる曲はどれもポップスのスタンダードだし、自分もジャズをやってたしっていうのもあって。でもそれじゃ芸がないし、かといってリアルだとこれが本物、っていう風にとられてもなぁって(笑)。で、『FAKE BOOK』。オリジナルがあってこその偽物だよっていう感じもいいかなって。オリジナルという、偉大な曲やミュージシャンへのリスペクトあっての偽物作品=『FAKE BOOK』ですから。

 いつかストレートにジャズのカヴァー集をつくってみたい、という思いはありますか?

大橋トリオ:いずれやってみたい、とは思いますけどね。でもジャズ・ミュージシャンが普通にジャズの名曲をカヴァーしてる素晴らしい作品って、もうすでに世の中にたくさんあるから、僕がやる必要はないっていうか。僕は大橋トリオとしてどうやるかっていうのをちゃんと考えてやるべきだな、と。だからもしやるなら、“ジャズなんだけどなんか新しいね”っていうような、自分らしい新鮮さや面白味を思いついた時にやってみたいですね。


INTERVIEW:Kanako Hayakawa


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