MONKEY MAJIK
U to D, L to R:Maynard, Blaise, tax, DICK
‘00年に結成されたMONKEY MAJIKが、その結成10周年を記念したベスト・アルバム『MONKEY MAJIK BEST〜10Years & Forever〜』を7月14日にリリース!! 10年前の曲から新曲まで、彼らの歴史をひもとくと、常に新しいサウンドを求め続ける彼らの姿勢が伝わってくる!
Maynard:全部好きな曲ばっかりだから、けっこう大変でした。最初は“2枚組みにしようか?”ってアイデアもあったんだけど、シンプルに考えると、シングルを優先しながら、みんなが聴きたい曲を入れていくって感じだったのかな−−あ、もっとハートフルな話のほうが良かった?
DICK:(笑)。まあ、そんなにおもしろいエピソードはないってことですよ。
Maynard:そうだね。10年っていうひと区切りの記念というか、こういうアルバムがあると“ホントに10やってたんだな”って実感できるし。改めて聴いて、“こんな感じだったんだ”って驚くこともあって。
Blaise:“懐かしいサウンド!”って(笑)。曲によって、音がぜんぜんちがうよね。
Maynard:曲を聴けば“あのスタジオで、こういうふうにレコーディングした”って思い出すんですよ。たとえば「fly」のときは、4人で同じ部屋に入って、“せーの”でバッと録ったんですよ。ちょうどそのころ、オーガニックな音が好きだったから。
DICK:好きな音のブームがあるんですよ、4人それぞれ。それが混ざってるから、ワケわかんなくなるんだけど(笑)。
Maynard:エフェクターやコンプレッサーの使い方だったり−−まあ、そんなことは聴いている人には関係ないオタクな話なんだけど、いつも新鮮なサウンドを探してるってことだよね。
Blaise:カラフルだよね。
Maynard:コンピレーション・アルバムみたい。
Maynard:そうかもね。“同じプロデューサーなんだけど、曲によってバンドがちがう”みたいな。でも、ホントにそういう感じなんだよね。メンバーそれぞれバックグラウンドがちがうし、誰かひとりが決めてるわけではないから。
tax:好きなものもちがうし。
Maynard:ひとりの人がすべてを決めるっていうほうがスタンダードなのかもしれないけど、MONKEY MAJIKはちがう。“ワン・ヴィジョン”じゃなくて“フォー・ヴィジョン”っていうか。それぞれのテイストが混ざったり、離れたりすることもあるし。
Maynard:全然。それよりも4人の関係のほうが大事だったし。音楽的にはどうだったのかな? 僕はアーリー90sのギター・ロックなんかを聴いていて、Blaiseは黒人音楽からのインフルエンスを受けてたような気がする。“ギターを弾きながらラップ”っていうスタイルも、その頃からあったし。
Blaise:そうだね。
Maynard:その後でtaxとDICKが入って、さらに広がって。
Blaise:「TIRED」。誰も聴いたことないんじゃない?
DICK:俺も持ってない(笑)。
Maynard:taxとDICKが入る前にレコーディングした曲なんですよ。声も全然ちがうよね。いま聴くと、ちょっと笑っちゃう(笑)。
Blaise:そうだね(笑)。
Maynard:サウンドもすごくシンプルだし。
Blaise:3コード・ロックって感じかな。
tax:懐かしいよね。ちょうどドラマーが入れ替わる時期で、僕もスタジオにいたんですよ。前のドラムの人に「叩く?」って言われたんだけど、「いや、この曲は任せます」って。
Maynard:すごい話だよね、それも。
tax:僕は僕で“このバンドで、どういうふうにドラムを叩けばいいんだろう?”って考えてて。でも、おもしろいバンドだなって思いましたよ。みんなでモメながらレコーディングしてて(笑)。
tax:シンプルなリズムのなかで、きれいなメロディを歌ってる−−それをカッコつけないでやってたんですよね。その頃から(オーディエンスとの)一体感がすごくあって、ちょっと不思議な空間ができ上がってたんです。ジャンルの押し売りみたいなことが全然なくて、みんなが気持ちよく楽しめるというか。
tax:そうなんですよね。商業的であることよりも、自分たちとお客さんがいっしょに楽しめる空間をつくることが大事っていう。その結果、こんなにたくさんの人に聴いてもらえてるっていうのは、ホントにうれしいことですよね。
Maynard:うん、ベスト・アルバムにもぴったりハマってると思うし。
Blaise:(Foreverは)Beautiful wordだよね。
tax:10周年っていう大きなテーマを含めながら、“大切な人がいるからこそ、自分がいる”っていうことだったり、自分自身のなかにある答えを見つけることだったり。まさに僕らがやってきたことなんですけどね、それは。
DICK:レコーディング中におもしろいことがあったんですよ。「Forever」って、ヒップホップの要素もあるじゃないですか。その部分のドラムを録るとき、taxが「とりあえず、ピザを食べよう」って言い出して。ピザを食べてコーラを飲んで、ヒップホップのノリを出すっていう。
tax:その日、いきなりBlaiseが「ラップのパートを入れたい」って言い出したんですよ(笑)。
Maynard:和洋折衷っていう感じですよね。僕にとっての“和”のメロディなんですよ、これ。
Maynard:そうなのかな? そういえばずっと前、“洋楽的ジャパニーズ・ポップ”ってキャッチフレーズを勝手につけられたことがありました(笑)。あと、ハイブリッド・バンドとか。
Maynard:10年前はもっとピュアだったかもね(笑)。
Blaise:ハハハハハハ!
Maynard:あと、こんなに忙しくなかった。もっと心に余裕があったような…。
Maynard:ポジティヴですよ、僕らは(笑)。もちろん、楽しいからやってるんだし。10年前、バンド・タイムは1週間のうちに1時間か2時間だったんですよ。でも、今はずっと音楽だけの生活。好きなことを続けられるっていうのは、ラッキーだよね。
INTERVIEW:Tomoyuki Mori
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