倖田來未

01_KODAKUMI_610350

10月6日には、最新ツアーの模様を収録したDVD『KODA KUMI LIVE TOUR 2010 〜UNIVERSE〜』を、そして10月13日には初のカヴァー・アルバム『ETERNITY 〜Love & Songs〜』をリリースする倖田來未。2つの作品に込めた思いをここに紹介!!


 アルバム『UNIVERSE』を引っさげてスタートした全国ツアー『KODA KUMI LIVE TOUR 2010~UNIVERSE~』。ずっと「アーティストであるのと同時に、一流のエンターテイナーでありたい」と公言してきた倖田來未が、何より重きを置いているのが、五感をすべて使って楽しめる“ライヴ”だ。今までも「観客に楽しんでもらうためならどんなコトでもできる」と、危険なパフォーマンスにも果敢に挑戦。そんな彼女のステージは多くの人を魅了し高い評価を得てきた。
 今年でデビュー10周年。今回のステージは、実績を重ねてきた彼女の集大成といえるエンタテインメントに仕上がった。ツアーは全国20カ所で行なわれ、総動員数(横浜スタジアム含む)20万人と過去最高の記録を残している。

「アルバム『UNIVERSE』は、昔から公言している“私はミラーボールのような女性になりたい”という言葉からヒントを得て“さらに幅広い光を放てる女性になれるように”そして“その光がもっと遠くへ届くように”という想いを込めて“無限大”の可能性を秘めた“宇宙”という言葉をタイトルにした作品。今回のツアーはそれがベースになっているので。会場にいるみんなを宇宙旅行に連れ行こう!! という想いから構想がスタートしたんです」

 彼女がライヴにおいて大切にしていることは“非日常の世界”。はじまった瞬間に、日常の中にある辛いことや大変なことを忘れ、子供心に戻って思う存分楽しんでほしい。それが彼女の願いだ。そのために、今回はこんな新しい試みに挑戦している。

「今までは、割と全体的にドラマティックに展開していくステージが多かったんです。でも、会場に遊びに来てくれた小さな子が悪魔や魔女のおばあさんが出てきた映像を見て泣いてしまうんです(笑)。そこから、またちがうアプローチを考えはじめたんですね。勉強も兼ねていろいろなショーをみたり、いろんな方のステージを見たときに、ひとつ気付かされたことがあったんです。それは“メリハリ”。ドラマティックで神秘的なステージの間にピエロが出てきて観客を笑わせたりする…その“休憩時間”的なステージの存在が、さらに本編のカッコよさを際立てているんですよね」

 また、こんな意外なステージからもインスピレーションを受けたとか。

「それは、志村けんさんのステージなんです。志村さんって、津軽三味線を弾かれるんですけど。それが本当にめちゃくちゃカッコいいんです!! その姿に引き込まれて酔いしれているそのときに…パッと後りを振り向いたらお尻が丸出しになっていて(笑)。それを見た時に思い切り爆笑したんですけど、それと同時に、とても感動したんです。私は、エンタテインメントってたくさんの感情を揺れ動かすものだと思っているんです。志村さんはあっという間に感動と笑いを観客に提供した…なんて一流のエンターテイナーなんだろう!! と本当に感動したんです」

 心が和らぐ面白い時間があるから、ドラマティックなステージが映える。笑いがあるから感動が映える。観客としてそんなエンタテインメントを体験し、今回は、5部構成で進んで行くそのステージとステージをつなぐ映像は“ユーモア”を強く意識して構成した。

「私の中で、’07年の『KODA KUMI LIVE TOUR 2007 ~Black Cherry~』を超えられない、という想いがずっとあったんですけど、今回はちがう角度からアプローチすることで、またちがうステージとして、それを超えることができたように思えるんです」

 そんな新たな境地に達したステージを収録したDVDには、本編のほか、ニュース仕立てでライヴの裏側を伝えるメイキングDVDと、ダンサー&倖田來未による副音声を収録。タイ料理をつまみながら、かなりギリギリ&赤裸々に裏のまた裏側を語っている(笑)。ライヴはもちろん、そんな+αのお楽しみにまで…今作は倖田來未の“遊び心”つまった1枚に仕上がっている。
 そして、10月13日にはデビュー10周年にして初の挑戦!! カヴァー・アルバムをリリースする。実は今作の構想&選曲は2~3年前からスタート。

「ずっと前から、いつかカヴァー・アルバムを出したいなって思っていたんです。念願叶ってやっと現実になった、というのが今の率直な感想です」

と微笑む。

「そもそも、私が歌手を目指すきっかけになったのは母が歌う姿。実は、デビューするまではほとんど洋楽を聴いたことがなかったんですね。私のルーツは母が歌う懐メロであり、カラオケで歌う邦楽であり…歌謡曲で育っているんです」

 自分の世代だけでなく、母親の世代の歌謡曲にも触れるなかで、彼女が感じたのは“世の中にはたくさんの歌い継がれている名曲が存在するんだな”ということ。

「デビュー10周年を迎えて自分のルーツをあらためてたどりたいという想いもあったんですけど、それと同時にこんな想いも。20代には20代の、30代には30代の、40代には40代の…それぞれの世代の人々の中にずっと存在し続けている名曲がある。世代を超えた音楽の交流というか、互いの世代の名曲に触れることで“世代を超えて受け継がれる名曲が世の中にはたくさんある”ということを、より多くの人に知っていただけたら、そんなきっかけをつくれたらっていいなって思ったんです」

 ラッツ&スターの「め組のひと」、MONGOL800の「小さな恋のうた」から山口百恵の「さよならの向う側」まで…今作には幅広い年代の名曲が収録されている。そのなかには、ほぼ原曲に近いアレンジの楽曲もあるが、多くの楽曲に倖田來未らしいアレンジがほどこされ、今の時代にあった楽曲に生まれ変わっている。

「やるからには“私が歌う意味”も大切にしたかったんですけど…実はアレンジが原曲を超えることができずに、カヴァーするのをあきらめた楽曲もたくさんあったんですよね」

 2~3年という時間がかかったのもそれが大きな理由。結果、当初、予定していた楽曲とはまったくちがうラインナップになった、と語る。

「今の私では越えられない楽曲、そして、アーティストがたくさん存在する…今回の制作作業は自分の未熟さを知るきっかけにもなったと同時に今の自分の新しいエネルギーにもつながったんです。自分が未熟であるということは、まだまだ、この先に歩むべき道があるということ。また、たくさんの名曲に触れたことで“私も歌い継がれる名曲を残したい”という気持ちが強くなった。今作のアルバムをきっかけにまた新しい目標に出会うことができたんですよね。それはアーティストとしてとても幸せなことだなって」

 “いつか、また世代のちがうアーティストに自分の曲をカヴァーしてもらえたらうれしい”。そう語り、“いつの時代も死なないメロディ”を目指したいと微笑む倖田來未。彼女がこれからどんな名曲を世に送り出してくれるのか楽しみだ。


INTERVIEW & TEXT:Miwa Ishii


02_RZBD-466823_130
●DVD2枚組
10.06 On Sale
『KODA KUMI LIVE TOUR 2010 ~UNIVERSE~』
倖田來未
RZBD-46682〜3
¥5,250(tax in)

03_RZCD-46674_130
●ALBUM
10.13 On Sale
『ETERNITY ~Love & Songs ~』
倖田來未
RZCD-46674
¥3,059(tax in)

コメント :

コメント投稿:





※コメントは承認制です。承認後表示されます。