Violent is Savanna

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L to R:工藤竜之介、星花、小野貴博、川合栄次

地域限定シングルながら、オリコンの全国インディーズランキングで第2位を獲得した注目のロック・バンドViolent is Savanna(バイオレント イズ サバンナ)。10月20日にリリースされるシングル「OH LOVE YOU」で、ついにメジャー・デビュー!!


 星花さんと川合さんは中学時代の同級生とのことですが、その頃から一緒に音楽をやっていたんですか?

星花:仲も良かったし、彼がギターをはじめたっていうのは知っていたんですけど、一緒にバンドを組んだりとかっていうのはなくて。中学を卒業してからもたまに遊んだりもしていて、17歳くらいの時に「音楽の方は今どうしてるの?」って聞いたら「家で黙々と曲つくってる」って。それで曲を聴かせてもらったら、すごく良くて。「一緒にやろうよ」って言ったのがきっかけですね。

川合栄次:だけど、最初は断ったんですよ。

星花:「あなたとはやりません」ってね(笑)。

川合栄次:そんな言い方はしてないでしょ(笑)。ただ、その時、まだ自分は1回もライヴとかやったことがなかったし、ギターにストラップをつけて立って弾くこともあまりしたことがなかったぐらいで、とてもじゃないけど一緒にバンドをやるなんて無理だと思って。それと星花のことを中学から知っていて、性格がキツいのわかってるから、ガンガン言われるのが恐いなって(笑)。それで1回断ったんですけど、もう1回誘ってくれたので、それなら、ちょっと気合いを入れてやってみようかなと思ったんです。

 小野さんと工藤さんとは、どうやって知り合ったんですか?

星花:札幌の知り合いの方に「ギターとドラム、いい人いないですか?」って探してもらって、発掘されたのが2人です。

工藤竜之介:発掘って(笑)。

 小野さんと工藤さんも、面識はなかったんですか?

工藤竜之介:なかったですね。だから最初にみんなと会う時はすごく緊張してたんですけど、みんなすごくいい人で。ずっと女の子ヴォーカルでやりたかったので、うれしかったですね。

小野貴博:星花は最初に会った時から結構ズバズバと深いところまで聞いてくる感じだったので、こっちがタジタジになっちゃう感じでした(笑)。

 “Violent is Savanna”というバンド名は、どんなところから?

星花:なんとなくの直感で“サバンナ”っていう単語を入れたくて。それでいろいろ考えた中に“Violent is Savanna”っていうのがあったんです。“Violent”には“激しい、刺激的な”っていう意味があるっていうのを聞いて、私たち自身が常に刺激を求めて音楽をやっていきたいし、私たちの音楽を聴いてくれる人にも刺激を与えていきたいっていう思いを込めて、この名前にしました。

 Violent is Savannaの魅力はどんなところだと思いますか?

工藤竜之介:星花の歌詞や歌は基本的に明るいんですけど、その根底には暗さもあって。ネガティヴを越えた明るさって言うのかな。そういうのが、垣間見えるので、すごく深みがあるんですよ。楽曲自体も、素直に入ってくると思います。そこは僕らも考えてつくっているんで。

川合栄次:曲も聴きやすいし、星花の声っていう強烈な個性があるので、そこはやっぱり武器かなと思います。

星花:でもやっぱり全部かな。曲もすごく大好きな曲ばかりだし、ライヴも私自身大好きなので、そこもみんなにとって、魅力的に映ってほしいなと思います。

 活動の拠点を北海道から東京に移して、どんなところが変わりましたか?

星花:去年の夏だから、ちょうど1年前くらいに上京してきたんですけど、今まで以上に、音楽に対して真剣に向き合うようになりましたね。ひとりの時間が増えて、自分たちが今、何をするべきなのか、何をやりたいのかっていう、自分の気持ちと、実際にやっていることを照らし合わせることが多くなりました。

小野貴博:プロの方と会う機会が増えて、すごく刺激になってます。それと、アレンジとかを考えたりする時に、ファミレスとかにすぐ行けるのが便利だなって。

 10月20日に、メジャー・デビュー・シングル「OH LOVE YOU」がリリースされますが、今はどんな感じ?

工藤竜之介:まだあまり実感がないですね。でも、自分たちがその時の全力を込めてつくった音が、大勢の人のもとに届くっていうのがすごくうれしいし、これからもっと気を引き締めて、さらにいい音楽をつくっていかなくちゃっていう思いがあります。

星花:今までは、自分たちのためにだけやっていれば良かったけど、これからは周りで関わってくれている人たちのためにも頑張らなくちゃいけないじゃないですか。そういう意味でプレッシャーもあるんだけど、逆にそれが張りになっているし、そういうのがないとやっていても意味がないと思うんです。だから、今はプレッシャーも含めてすごく楽しめていて、かなり前向きな精神状態です。

 「OH LOVE YOU」は、北海道TSUTAYAで5月に限定リリースされて、この曲をきっかけにして道が拓けた部分があると思うんですが、この曲に対する思い入れは?

川合栄次:思い入れはすごくありますね。デビュー曲っていう部分もそうですし、曲ができた時に“いい曲ができた!”っていう自信があったし。

小野貴博:この曲は最初にデモを聴いた時、すごくかっこいいなっていうイメージがあって。片寄さんたちとアレンジしていく過程でどんどん明るくなって、今の形になったんですけど、こういう感じの曲になると思っていなかったので、すごく意外だったけど、さらにいい曲になりました。

 「OH LOVE YOU」と「you and me」は、片寄明人さん(Great3)をプロデューサーに迎えていますが、一緒にお仕事をされての感想は?

工藤竜之介:僕の勝手なイメージなんですけど、プロデューサーの方って「俺が思ったことをやれ!」みたいな感じだったんですよ。でも、片寄さんは“「それいいね。じゃあ、やってみようか」みたいな感じで、僕らの意見も大事にしてくれて。片寄さんのひと言でどんどん楽曲が良くなっていくので、すごい人だなと思いました。

 感情をストレートに表現したラヴ・ソングですが、歌詞はどんなところから?

星花:栄次のデモを片寄さんと一緒にアレンジしていって、どんどん形になっていくにつれて、イメージもわいてきて。ちょっと仲良しなんだけど、まだ片想いみたいな。だから、この歌詞は楽曲に引っ張られて出てきた感じですね。

 川合さんが作曲する時は“こういう歌詞にしてほしい”っていうイメージは持っているんですか?

川合栄次:いや、歌詞に関しては星花に完全に任せています。僕の方で、何かイメージを持ってつくって、それを星花に伝えてしまうと縛っちゃうことになるし、でき上がった歌詞がそのイメージとずれちゃうのも嫌なんで。それと曲がアレンジによってすごく変わるっていうのがわかっているから、あえてイメージは持たないようにしてます。

 「you and me」は、独白調な歌詞が印象的でした。

星花:片寄さんとお話していく中で、「遠回しな表現が多かったり、フィルターを通してるところがある」って指摘されて、改めて見返してみると、確かに思い当たる節があって。「もっと素直に書いてみようよ」って言われて、書いたのがこの歌詞だったんです。最初は見られるのも恥ずかしいくらい、思ったことをストレートに書いていて、すごくチャレンジ的な部分があったんですけど、今はライヴでやっていても気持ちいい曲だし、聴くのもすごく好きなので、片寄さんに指摘していただいて良かったなって思っています。

 星花さんの歌詞を見て、そういう変化は感じましたか?

小野貴博:いい歌詞だなと思ったんですけど、変化には気づきませんでした(笑)。ただ、歌詞を渡された時の情景はなぜか覚えていて。スタジオの休憩所で渡されて、“いい歌詞じゃん”と思ったんだけど、口べたなんで「ああ、いいんじゃない」みたいにちょっとそっけなくしちゃいました(笑)。

川合栄次:最初に読んだ時も“いい歌詞だな”と思ったんですけど、実際に曲にのせて歌ったのを聴いた時は、“すごく歌詞が入ってくる”って思って鳥肌が立ちましたね。

 「ベル鳴る方へ」はロック色が強い楽曲ですが、特に重視したポイントは?

工藤竜之介:やっぱり疾走感ですね。エッジを効かせて、「OH LOVE YOU」とはちがう感じでアプローチしたかったので、それがよく出ていると思います。

 こちらは石田ショーキチさんをプロデューサーに迎えていますね。

星花:ショーキチさんは、片寄さんと正反対な感じでした。片寄さんは「時間はまだあるから、じっくりやればいいよ」っていう感じだったんですけど、ショーキチさんは「考えても仕方ないんだから、どんどんやってみようよ」っていう感じで、考えるよりも動こう、みたいな。その時の感情とか、焦燥感っていうのを大事にする方でしたね。

工藤竜之介:片寄さんが“静”なら、ショーキチさんは“動”っていう感じ。

星花:今考えてみると、この曲は疾走感がキーになっているから、あえてそういう風にしてくれたのかなって思います。

 これからどんなバンドを目指していきたいですか?

星花:今回収録されている3曲って、今だから録れたと思うんです。そういう“今じゃないとできないこと”っていうのをこのバンドでずっとやっていきたいなと思っていて。背伸びをするんじゃなくて、今、私は24歳なので、24歳の私が思うことを書きたいし、このメンバーが今、やりたい音楽をやって、それがみなさんのもとに届けば最高だなと思っています。そして、最終的には、昔からの目標なんですけどドーム・ツアーをしてみたいなと。もちろんファイナルは札幌ドームで(笑)。それができるように頑張っていきたいし、まだまだ私たちのことを知らない人たちの方が多いと思うんですけど、みんなに愛されるように突っ走っていくので、応援よろしくお願いします。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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