うさ
ニコニコ動画の『歌ってみた』で活躍する人気歌い手“うさ”が、初のメジャー・リリース! 数々のボカロ楽曲をカヴァーした『LINK / RING』(3月9日リリース)に込めた思いをうさ本人が激白!!
うさ:古いですよ〜。それこそ、人数制限されていた頃から観ているので(笑)。
うさ:ずっと同じ体制でやっていても、成長はないと思うし、観る人も聴く人も新陳代謝というか、どんどん変わっていっているので、それに合わせた形でニコニコ動画も変わっていくのは良いことだと思います。その変化に対して、“え〜、なんでそこを変えちゃうの?”とか、とまどいを感じることもありますけど、変わっていくものに対して順応していくというか、新しいものを吸収していく力をこっちが鍛えていかなきゃいけないなと。
うさ:もともと同人で音楽活動をしていたんですが、’07年末にゲームのエンディングで気に入っていた曲があって、それをニコニコ動画で聴いているうちに私も歌ってみたいと思うようになったんです。同人の方で一緒に活動している“黒うさ”というP(編注:ニコニコ動画における楽曲プロデューサーの呼称)がいるんですけど、彼もその曲が好きで、“アレンジしたものがあるからそれを歌いなよ”という形で歌わせてもらって、それを『歌ってみた』に投稿したのが最初のきっかけです。だから、最初は本当に軽い気持ちで、その後もこんなに投稿することになるとは、その時は思っていませんでした。
うさ:小さい頃から音楽も好きだったんですけど、絵も好きで、同人はもともと絵の方をやっていたんです。それで何年かやっている時に、同人にも“音楽”というジャンルがあることを知って。自分でお金を出して、プレスしてCDが出せるんだって思ったら、昔から歌を好きだった自分がムクムクと起き上がってきて(笑)、そこからは絵の方をやめて、音楽にハマっていきました。
うさ:メジャーにいくことに関しては、全然アリだと思います。ただ、それでもともと応援してくれていた人たちを置き去りにしてしまうのは、自分はイヤで。もちろん、それは今までメジャーで出された方、みんな同じ気持ちだと思うんですけど。自分がメジャーで出す理由というのは、ニコニコ動画という箱庭の中にある音楽を、もっと外の人に知ってほしいと思ったからなんです。メジャーの音楽しか聴かない人たちに、“こんなにいいメロディ、いっぱいありますよ”って、自分自身がプレゼン材料みたいな感覚なんです。それで“これ好きかも”ってなってくれた人が、ニコニコ動画の入り口に立ってくれたらうれしいなと思っていて。
うさ:そうです。世の中には、ジャケットにVOCALOIDがいるだけで“オタクの音楽ね”っていう先入観を持ってしまって、曲も聴かずに切り捨ててしまう人が少なくないと思うんです。だけど、そこには曲のつくり手さんが必ず存在していて、それぞれの人の味がある音楽がいっぱいあるのに、先入観だけで切り捨ててしまうのは、ものすごくもったいないことだなと思って。それなら“VOCALOIDじゃなくて、人間が歌ったら聴くのかな”という感じで、今回はボカロ楽曲のカヴァーにしました。聴いてみて、“このメロいいかも”って思ってもらった時に、これがカヴァーだっていうことを知ってもらえれば、好きとは言わないまでも“VOCALOIDも悪くないじゃん”みたいになって、原曲への導線になればいいなと思って。たとえば、“これは好きなジャンルだから聴いてみよう”とか、“このジャンルはあまり聴いたことないけど、好きなPだから聴いてみよう”とか、取捨選択は自分たちにしてもらって、まずは入り口に立ってくれたらうれしいなと。いきなり原曲から入るのは、抵抗のある人もいると思うので、全曲アレンジを加えさせていただいて、まずはこのアレンジで気に入ってくれた方から“ニコニコ動画にようこそ”みたいな(笑)。アレンジは、ダンス・ミュージックやエレクトロ調に仕上がっているんですけど、どれかひとつは引っかかる曲があるんじゃないかなと思います。
うさ:「向日葵」だけいくつかリクエストを出させていただきました。それ以外は、ほぼアレンジャーの方にお任せという感じで。曲に思い入れのある人の妥協点といったら変ですけど、“ここまでだったらいいけど、ここまで行ったらやり過ぎでしょう”みたいなものがあると思うので、“私がリスナーだったら”という視点で考えて、何カ所か直していただいています。
うさ:ニコニコ動画の中にも小さなコミュニティがいっぱいあって、お互いを引き離してしまっている部分があって。“自分の好きなものはコレです!”ってなったら、そこに凝り固まってしまうというか、そういう小さなコミュニティがたくさんあるので、このアルバムは、それをつなぐ役割を持てたらなと思っているんです。“ニコニコ動画”という大きなコミュニティで見ても、“ニコニコ動画から出るのもダメ”、“ニコニコ動画に入ってくるのも、もういいです”みたいなところがあるので、そんなことを言わずに、そこから手を伸ばして、外の人たちも引き込んでしまえばいいじゃないかと。相手と手をつないで、その手をつないだまま、相手が他の人と手をつないで、それがどんどん広がっていって、みんなが楽しくなるようにっていう思いを込めているので、“つながる=LINK”が“輪=RING”というタイトルにしました。ただ単に韻を踏んだだけじゃないんです(笑)。
うさ:ありましたね。たとえば、「夕日坂」は、もとがバラードだったものから強いアレンジになっているので、前は思い出にひたってささやくような感じで歌っていたんですけど、強い気持ちを出すようにして歌っています。別れの曲にも、いろんなタイプの感情があって、同じ歌詞でも歌い方を変えるだけで、ちがう解釈で聴いてもらえると思うので、“歌い方を変える”っていうのはだいぶ意識しましたね。“これだったら原曲を『歌ってみた』でいいじゃん”ってなるは避けたかったですし。今までに歌ったことのある曲でも、どこかしらちがう雰囲気で歌っているので、そこに気付いてもらえたらうれしいですし、まちがい探しじゃないですけど(笑)、そういう楽しみ方もできるかなと。
うさ:“これがしたい!”と思ったことを、たとえどれだけ回り道をしたとしても、“持ち続けていれば叶う”というのは、ずっと言ってきていて。私自身、小さい頃からずっと“歌いたい!”という気持ちを持っていて、それがここ2、3年で表面に出まくっている感じですし(笑)。たとえば、学校を卒業して、これから就職活動を迎えた時に、“今までこれをやっていたけどこれからは趣味にしよう”とか、年齢を重ねた人が、“もう自分もそろそろ歳だし、趣味でやってきたことをヤメようかな”とか、そういう決意をするのはヤメてほしいなと。決意するのは“ヤメる決意”じゃなくて、“続ける決意”の方であって。別に夢を叶えるために必死になる必要はないけど、チャンスがあればそこに飛び込むためにも、ずっと温めて持ち続けてほしいです。今はネットが普及して、飛び越す垣根が低くなっているし、自分でCDもつくれるし、今はそれができる環境なので、“やりたいならば、恐れずにやりましょう”ということは、ずっと伝えてきたし、これからも伝えていきたいです。
うさ:CDを出したいと持ちかけたのは、実は自分の方からで。それぞれのジャンルのいろんな人たちが飽和状態になりかけて、ニコニコ動画の中のみんながピリピリしている時期があったんですね。そういうところに外の人に入ってきてもらって、空気を変えたいと思ったんです。
うさ:そうですね。世の中には、ニコニコ動画やボカロ楽曲がフィーチャーされることが増えてきましたけど、“その曲を誰がつくっているか”っていうことはあまり知られていないことが多くて。もっと曲をつくった人にスポットをあててもらいたいというか、“その人がつくっている曲はこういう曲だよ”っていうのを知ってほしい気持ちが強くて。“この人だったらこういう音”みたいに、それぞれのPの方は音を確立しているのに、テレビとかで流れても普通の人からすれば、“初音ミクの歌”としてしか認識されない。そうじゃなくて、いろんな人が、いろんな曲をつくっているっていうのを知ってほしいので、特にメロディに注目して聴いてもらいたいです。今作のサイトに、原曲へのリンクが貼られているので、それも一緒にぜひチェックしてください。そして、そこからいろいろ聴く音楽の幅を増やしていただければと思います。
INTERVIEW:Shinji Takemura
●ALBUM
03.09 On Sale
『LINK/RING』
うさ
AVCD-38194
¥2,000(tax in)
★うさ
http://usa-usa.tv/(PC・携帯)
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