露崎春女

01_HarumiTsuyuzaki_610350

ヤマハミュージックコミュニケーションズに移籍した露崎春女が、通算10枚目となるニュー・アルバム『Now Playing』を4月20日にリリース! さまざまな要素を取り入れた振り幅の広いR&Bサウンドで新しい扉を開ける!!


 今年からレーベルを移籍しましたが、環境やメンタル面に変化はありましたか?

露崎春女:周りが新しいスタッフなので、新鮮ですね。みんな面白い人たちなので、楽しくやらせてもらっているし。でも、移籍したばかりの頃は、お互い遠慮しているところがあって、私がやってきたことやつくってきたものに対して“それ、いいじゃないですか”って言われても、“え、本当に?”って、どこか疑心暗鬼になってしまうところがあって。誉められているから、本来なら喜ばしいことなのに、素直に受け取れないというか。もちろん、今はそんなことないんですけど、最初の頃は警戒の連続でしたね(笑)。

 今作は自分の中にあるものを掘り下げながらつくっていった感じ?

露崎春女:そうですね。“これでいいんだろうか? もっとやれることがあるんじゃないか?”って自問自答しながら、つくっていった感じで。それが激しすぎて、周りの人には迷惑かけたところもあると思うんですけど、その分、すごくアツい作品に仕上がったと思います。周りの方々には、本当に感謝しています。

 今回の移籍は、いい刺激になった部分が多い?

露崎春女:もちろん。移籍していなかったら、ここまで人にぶつかっていかなかったなと思うし、新しいからこそ、自分の中にある壁を壊していかなきゃいけないなと思えたので。今回の移籍は自分にとって大きな意味がありました。

 今作は、ヤマハに移籍してからのファースト・リリースでもあり、露崎さんとしても通算10枚目という、ある意味、節目の作品ですが、特別な思いはありますか?

露崎春女:作品をつくる時は、毎回特別なんですけど、今回は特に、今まで自分がやってきたことにとらわれず、新しいことをクリエイターの人たちと一緒にやろうと思って。もちろん、新しいものだけでなく、自分が一番多感な頃に聴いていた音楽…80年代や90年代の音楽なんですけど、そのフレーヴァーを取り入れて、上手くミックスしていこうと。特別な思いと言ったら大げさですけど、“今までこういうやり方をしていたから、今回も同じようにしよう”とか、そういうのはヤメようと決意してつくった作品なので、そういう意味では“特別感”みたいなものはあります。

 80年代や90年代の音楽フレーヴァーを取り入れたとのことですが、露崎さんにとって、その時代を象徴する曲は?

露崎春女::ビルボードのチャートをチェックするのが大好きで、特に’84年〜’85年あたりは毎週のようにチェックしていたので、そのあたりですね。ビリー・オーシャンの「Caribbean Queen」とか、スターシップ「Sara」。あとホール&オーツは全部好きだし。90年代に入るとソウルの方に傾倒していくんですけど、ヴォーカルとしては、ホイットニーやマライアの影響をもちろん受けていますしね。

 今作の制作はいつ頃から?

露崎春女:去年の春くらいです。最初の話し合いの段階にすごく時間を掛けていて。スタッフのみんなと“ああでもない、こうでもない”って言いながら80年代の曲を聴いて、“いいよね〜”っていうのだけで、打ち合わせが終わっちゃったこともあったし(笑)。そういう打ち合わせを重ねていく中で、曲が段々と浮かんできて、みんなの向かう方向が整っていって。

 iTunesで先行配信された「Sacrifice」は、露崎さんらしい力強い歌声が印象的ですね。

露崎春女:最近のR&Bって、いろんな要素が取り入れられているじゃないですか。そういうサウンドと“back to old school”的な雰囲気をミックスして、“これはR&Bだ!”って言えるような曲をつくろうというところからはじまっていて。それも自分でつくるんじゃなくて、人に頼んでっていう。そういうつくり方がはじめてだったので、実際に上がってきたトラックを聴いた時に、どうやって歌おうかなって結構、悩みましたね。

 その辺りはどうやって解決を?

露崎春女:何も考えずにぶつかっていくというか、トラックだけじゃなく、メロディも歌詞も他の方に書いていただいているので、歌手としてそこに乗っかっていくことだけに集中しました。キーもかなり高いところがあって、わたしとしては 挑戦な部分もあったんですけど、新たな声が出てきたので、新しいやり方でやってみてよかったです。

 「Bye Bye Gloom」は、Nao’ymtさんによる硬派なナンバーですが、この曲を最初に聴いた時の印象は?

露崎春女:Nao’ymtくんとは、前のアルバムでもやっていて、今回は今までにないタイプの曲をオーダーしたんですけど、オーダーした以上のものを上げてきてくれて。地下鉄のホームで最初に聴いたんですけど、本当に飛び上がって踊りだしたいくらい“ヤッター!”っていう感じでした(笑)。“ロックンロールがやりたい!”って、オーダーしたんですけど、ここまでロックっぽく仕上げてくるとは思っていなくて。でも、この曲を聴いて、改めて“自分はロックも好きなんだ”って実感したというか。レコーディングでも、フェイクがどんどん出て、1回で“これでもういいよね”っていうくらい迷いがないヴォーカルがとれました。

 「Still Of The Night」は、はじめてトラックをご自身で手がけたそうですが、やってみていかがでしたか?

露崎春女:普段は、自分のアイデアをデモに入れて、それをトラック・メーカーの方にブラッシュアップしてもらうんですけど、この曲はデモの段階でスタッフの“いいじゃないですか光線”を浴びまして(笑)、うまくのせられたというか。昔はアレンジや楽器をずっとやっていて、そういう裏方の仕事をやりたいと思っていたこともあったので、それなら挑戦してみようと思ってとりかかりました。勉強の連続で、最後まで“もっとクオリティを上げなきゃ”と思いながら四苦八苦したんですけど、なんとか形になって良かったなと。ミックスのD.O.I.さんの力が大きいんですけど(笑)。今回が良い経験になったので、次があれば、活かしていきたいなと思います。

 「Time Is Jewelry」は、アルバムの終わりにピッタリな雰囲気を持った楽曲ですが、この曲で締めくくるのは、最初から決めていたんですか?

露崎春女:最初からではないですけど、制作していく中で“これは最後だな”と感じました。私は「I want to sing」というゴスペル・ミュージカルを聴いたのをきっかけに歌をはじめていて。そういう意味では、技術的なことだけでなく、精神的なものも含めてゴスペルに影響を受けていて、それがずっと軸にあるんです。この曲は、最初はゴスペル調ではなかったんですけど、つくっていくうちに、そっちの方向に振れてもいいんじゃないかという気がして。それで方向性をゴスペル調に持っていったら、アルバムの最後が似合うなという感じに仕上がりました。

 タイトルの“Now Playing”には、どんな意味が込められているんですか?

露崎春女:今作は、それぞれの楽曲がすごく主張していて、ひとりのアーティストのアルバムっていう感じじゃない、コンピのような雰囲気があって。それがこのアルバムのいいところでもあるんですけど、これをひとまとめで表現できるタイトルはないかなと考えながらiPodで聴いていて、パッと画面を見た時に“Now Playing”と表示されていて“これだ!”と。神様からお告げが来た感じで(笑)。それに、ツイッターで“Now Playing”っていうハッシュタグで、いろんな人が今聴いている曲をつぶやいているんですけど、全然ちがう楽曲をいろんな人が聴いているイメージも“Now Playing”という言葉にわいてきたし、“今、聴いているよ”ってみんなが言ってくれるようなアルバムになってほしいなという思いも込めて、このタイトルにしました。ぜひ聴いてみてください。そして、これからも応援よろしくお願いします。


INTERVIEW:Shinji Takemura


02_YCCW-10127_130
●ALBUM
04.20 On Sale
『Now Playing』
露崎春女
YCCW-10127
¥2,940(tax in)

コメント :

コメント投稿:





※コメントは承認制です。承認後表示されます。