Purple Days

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L to R:石坂翔太(key),吉田ワタル(vo), 鈴木俊彦(g)

Purple Daysの5月4日にリリースされるニュー・シングル「あなたを忘れていけるように」は、切なさの中にある温かさを感じさせるセツナ系ポジティヴ・ソング!!


 前作はシングルのために制作したとのことですが、今作もこのシングルのために?

石坂翔太:今作は制作した時期が「Still think of you」と同じ時期だったので、このシングルのために制作したというわけではないですけど、制作意図としては、のちのちシングルとして出すつもりで制作していました。

吉田ワタル:この曲の原型は、翔太が中学の時につくった曲なんですよ。

石坂翔太:そうなんです。15歳くらいの時に、自分がはじめてちゃんとつくった曲で。どんな曲をつくろうか考えていた時に“あの頃はよかったな” と思って、引っ張り出してきて、いろいろ手を加えていったら“これいいんじゃない”と思えるレベルに仕上がったので、そこから本格的に取りかかりました。

吉田ワタル:すごくピュアな感じのする素直なメロディですよね。当時の翔太が書いた歌詞もあったので、そのイメージを壊さないように歌詞を書き直していったんですけど、全体のイメージみたいなものが翔太の中にもあるなと思って、方向性やテーマは変えつつも、言葉の響きやメロディに対するハマりみたいなところを意識しました。

 すごくキャッチーなサウンドですが、これは曲づくりの上で特に意識した部分?

石坂翔太:ですね。僕は曲を書く時に“1回聴いてサラッと入ってくる”というのを大きなテーマとし

鈴木俊彦:特に今作はAメロ、サビ、大サビ…どこをとってもキャッチーになるようにしていて。それでいて、“1曲としてもちゃんとまとまっている”というのもコンセプトとしてありました。

 歌がのっているところはシンプルで、歌がないところは楽器が歌うような感じで、押し引きのバランスもいいなと感じました。

吉田ワタル:メッセージ性のある曲なので、ギターもアツいというか、すごく人間味が伝わってくるギターですよね。

鈴木俊彦:翔太が昔の曲を持ってきた時に、自分も昔はメロディアスなギターを弾いていて、それもひとつ自分の色だったことを思い出して、今回のギター・ソロをメロディアスなものにしました。

 歌詞は、前作と“切なさ”という部分で共通していますが、今作はそこからさらに一歩進んだ内容になっていますね。

吉田ワタル:今回のデモができ上がった時期が、ちょうど僕の中で“切ない曲を書く月間”で(笑)。今回“わかれ”をテーマにしているんですけど、デモの時に書いたものから、ちゃんと書き直すってなった時に、“わかれたことに対する切ない気持ちや後悔の気持ちを、出会えたことに対する感謝する気持ちに変えられたら、きっと前向きになれるだろうな”って思って。自分の経験と向き合って、書いていきました。だから、切ないんだけど、聴いた後、胸の中に温かさが残るような曲になったと思っていて。

石坂翔太:それと“恋愛”に限定した話じゃないんでしょ、この曲。

吉田ワタル:うん。今回は“恋”とか、“愛”とか、“好き”とか、こういう曲だよって決めてしまうような単語は、あえて入れていなくて。“恋人とのわかれ”も、もちろんあてはまるんですけど、大切な人であれば、家族や友達、それが同性であっても、きっと当てはまるんじゃないかなと思って。

 恋愛だけに限定しなかったのは、なぜ?

吉田ワタル:僕、結構“仲間意識”が強い人間で、友達になったら、相手にも同じくらい友達と思ってほしいくらい人なんですよ。友達が傷つけられるたら、自分のことのように腹が立つし。でも、そういう友達と離ればなれになってしまうことが今までにもあって、その時に感じたことをぶつけられないかなと書いている途中で思って。そうしたら“恋愛の曲”には固定したくないなと思えてきたんです。仲のいい友達ほど、もめたり、離れてしまったりって、若い頃ほど多いと思うんですよ。僕も実際そうだったし。その頃に、自分の中にもうひとつ別な考え方があったら、きっと変わっていただろうなっていう思いがあって、その頃の自分に向けての気持ちもあるし、もし、この曲を聴いてくれた子が同じような状況になっていたら、考え方を変えてくれたらなと思います。

鈴木俊彦:僕もどちらかというと感謝人間なので、今まで出会った人がいなければ、絶対に今の自分はないと思うし、出会いのすべてが感謝だと思っているので、この歌詞にはすごく共感しますね。

石坂翔太:思っていても、“ありがとう”ってなかなか言えないと思うんですけど、この曲を聴いて、言おうと思う気持ちになってくれればうれしいです。

鈴木俊彦:思っているだけで、行動も変わってくるからね。

 DVDにはPVが収録されていますが、こちらはどんな内容?

吉田ワタル:パイプオルガンをバックに、僕らがバンドで演奏しているシーンは、教会で演奏しているようなイメージで、温かさや純粋さ、ピュアなものを感じてもらえればなと。あと、ダンサーが、歌詞の内容をダンスで表現しているので、歌詞と照らし合わせながら観てもらうと、よりわかりやすいと思います。

 カップリングの「Fake」は、今までのPurple Daysにはなかった曲ですね。

鈴木俊彦:この曲は、今までライヴをやってきて、“こういう曲がほしいな”って思った衝動をもとにつくっていて。今まででテンポも一番早いし、Cメロで半分に落ちる感じも、絶対にライヴで気持ちいいだろうなとか考えながらつくりました。

石坂翔太:テンポが早い曲にシンセを入れるっていうのが、まったく新しいことだったので、どういう風に入れるかというのは、かなり頭を使いましたね。あまりシンセをガッツリ入れてもゴチャゴチャになってしまうから、ギターとのバランス感を大切にするっていうところを意識しながらつくっていきました。

鈴木俊彦:それと今回“ギターとシンセのソロでハモる”ということにも挑戦しています。これもライヴを想定してのことなんですけど、2人でハモって絡んだら画的にもカッコいいなと思ったし、ギターがひとりなんで、ハモれないもどかしさを今まで感じていたので、それをシンセと2人でやってみるっていう実験的な要素
も詰まっています。

 はじめての試みというところで、ソロをつくる時に工夫したことなどはありましたか?

鈴木俊彦:今までは自分のことだけを考えればよかったんですけど、シンセでも成り立つソロにしなきゃいけなかったので、ギターのソロもまずシンセでつくってからギター・フレーズに直したり。

 そこにハモっていくのは難しかった?

石坂翔太:いつもとちがうのは“ハモる”ということだけなので、それほど難しい要素はなかったんですけど、ニュアンスがどうしてもギターだったから、それをどっちに寄せるかというところで頭を悩ませましたね。

吉田ワタル:翔太が上げてきたキーボード・ソロを聴いた時、きれい過ぎないというか、荒々しさを残しつつハモっているなって感じて。

鈴木俊彦:そういうところから“ライヴ感”っていうのも出てくるしね。これを聴いて、“ライヴに行きたいな”って思ってもらえたら、うれしいです。

 歌詞の内容も挑発的で、これも今までのPurple Daysにはなかった部分ですが、これは曲に触発されて?

吉田ワタル:ライヴをやっていく中で、“こういう曲がほしいよね”っていうのは俊と共通の認識として持っていて。僕が今ファンの方に伝えたいこと、ライヴのステージで届けたい言葉をテーマに書きました。それと“自分にも言い聞かせる応援歌”じゃないですけど、聴いて前向きになれるという部分も意識して。

 自分の中にある言葉を、そのまま素直に吐き出した感じ?

吉田ワタル:そうですね。だから、比較的短い時間でサーッと書けました。ただ、1回書き直しているんですよ。僕、夜中に歌詞を書くことが多いんですけど、夜中って気持ちが高ぶるじゃないですか。この歌詞も夜中に書いたんですけど、起きてから読んだ時に“ごめん、昨日は調子に乗り過ぎた”みたいな(笑)。それで語尾をちょこちょこ直しながら、自分の一番言いたいこと、サビの♪隠さないで 飾らないで 弱さを見せたら♪の辺りとか、そこを強調するように書き直していって。でも、テーマが自分の中で決まっていたので、書き直しにも時間はかかりませんでしたね。

 歌い方も“色っぽいな”という印象を受けたんですが、どうしてこういう歌い方を?

吉田ワタル:自分の歌い方の幅を広げたいとずっと思っていて。今回は曲自体がPurple Daysの幅を広げてくれた曲なので、今までと同じ歌い方をしても面白くないから、いろいろ試行錯誤した結果、こういう歌い方をしてみました。

 リスナーの方には、今作をどのように聴いてもらいたいですか?

吉田ワタル:「あなたを忘れていけるように」と「Fake」はそれぞれ印象がちがう曲なので、聴いてもらえたら、どちらかは響くと思います。それをきっかけに、さらに僕らのことを好きになってくれたり、もっと知りたいと思ってもらえたら、うれしいです。

鈴木俊彦:“切なさ”だけじゃなく、“温かさ”もすごく感じる曲だと思っていて。僕自身、聴くと胸がアツくなるような、2曲ともメッセージ性が強く、聴いた人に何かが残ると思うので、ぜひ聴いてください。

 ニコニコ動画の生放送にも出演していますが、ネットを利用したプロモーションは楽しいですか?

吉田ワタル:3週間に1回の放送なんですけど、ファンの方と直接触れ合える機会なので、ぜひ観てもらえたらなと思います。僕ら自身、すごくやりがいを感じているし、そこでのみんなとのコミュニケーションは大切だし、楽しいし、これからも続けていきたいと思っています。これからも応援よろしくお願いします。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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