DAMIJAW

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Janne Da Arcのベーシスト、ka-yuが2月に始動させたソロ・プロジェクトDAMIJAW(ダーミージョウ)。活動開始からわずか2ヵ月でファースト・アルバム『I AM』をリリース(4月28日)! DAMIJAWの世界観を余すところなく詰め込んだ、バラエティに富んだアルバムが完成!!


 今作を制作する上でのコンセプトは?

ka-yu:アルバムのコンセプトは、DAMIJAWのコンセプトと同じく“不完全なものから、より自分の理想を目指していく”というところです。去年の1月くらいからつくりはじめて、全部で40曲くらいできた中から、その世界観に合った曲を選曲して収録しました。

 収録はシングル「無力な自分が許せない」に引き続き、ギターに原田さん、ドラムにshujiさんを迎えての作業だったんですか?

ka-yu:そうです。(原田)喧太さんは、松本和之名義のソロ『Solid Beat』の時から一緒にやっていますし、shujiはジャンヌでずっとやっているので、サウンドはしっかりとした音のかたまりになったと思います。

 「WARNING 〜その先は…破滅!〜」は、シングルのカップリングに収録されていた「AOBUSA」と共通する世界観がありますね。

ka-yu:両曲とも“バイク”がテーマの中心にあるので、バイクくくりという点ではそうですね。プリプロの段階から仮歌詞で歌っていくんですけど、その時に曲の世界観から思いつく単語を当てはめていくんです。この曲はスピード感があるので、そこからバイクの歌詞を書きたいなというのがあったんです。

 最初から「AOBUSA」とのつながりを考えていたわけではないんですね。

ka-yu:そうですね。「AOBUSA」は純粋に“バイクへの思い”を歌っているんですけど、この曲はDAMIJAWの世界観で言うと“不完全なものは完全を求めて、つい抗ってしまったり、無理をしてしまいがちだけど、自分の今の状況をしっかりと見つめた上で進んで行かないと、待っているのは破滅しかない”ということを歌っています。

 プリプロの段階で浮かんだ単語から歌詞を書いていくとのことですが、歌詞を書いてみたけど、世界観と合わなかったということはあるんですか?

ka-yu:結構ありますね。「BIRTHDAY 〜ダミ嬢の憂鬱〜」は、最初もっと猟奇的な内容だったんですけど、ちょっとエグすぎたこともあって…。それでこの曲の世界観を壊さずに、歌詞を書き直そうと考えた時に、シングルのカップリングだった「ダーミー城の吸血悪魔(笑)」がこの世界観に近かったので、その後の世界を書いてみたんですけど、曲と詞の世界観が上手くマッチしてくれたと思います。

 「Regress? Progress?」は、歌詞の内容からka-yuさんの決意表明が感じられました。

ka-yu:「無力な自分が許せない」では、タイトル通り♪無力な自分が許せない♪って歌っているんですけど、この曲ではそこから一歩進めて“前に向かって行くために、俺が俺であるために自分が信じた道を突き進む”という、まさに決意表明の曲です。そういう思いを持って、これからも進んでいきたいですね。

 「Lost My …」をはじめ、「message」、「ゆびきり」と、今作にはラヴ・ソングが3曲収録されていますが、ka-yuさんの恋愛観が一番強く出ているのはどの曲ですか?

ka-yu:どうだろう?(笑)。3曲とも歌詞に出てくる主人公の気持ちになって、物語を書いてくような感じで歌詞を書いたんですけど、僕の恋愛観に近いのは…「message」かな。この曲は物語的に「Lost My …」とつながっていて、「Lost My …」で終わってしまった恋愛に対して、もしもその終わる前に戻って、自分をしっかりと見つめ直すことができたら、こうはならなかったのに…というストーリーです。

 ラヴ・ソングは、切ない内容のものが多いですよね。

ka-yu:自分があんまりハッピーな恋愛をしてこなかったから(笑)。そのあたりが自然とにじみ出ちゃっているのかも。それと意外とロマンチストな面があるんですよ、僕(笑)。

 「KENTA」は、タイトルから察すると原田さんのことを歌っているかと思うんですが。

ka-yu:喧太さんのことを歌ったと言ったら、ちょっと誤解を招くんですけど(笑)、昔のロックスターってこんな感じだったのかなという思いがあって、そこから歌詞を書いていったんです。タイトルをどうしようかなと考えた時に、本当に失礼な話なんですけど、喧太さんっぽいなって(笑)。本当はそうじゃないんですけど、僕の中でのイメージというか。それで、喧太さんに「名前使ってもいいですか?」って聞いたら快く承知していただいたので、使わせていただきました。この曲にはセリフも入っているんですけど、そこも喧太さんにしゃべってもらっています。「酒が無きゃ誰がお前と!」って(笑)。

 でも、これってka-yuさんの中に眠っているSな部分から出てきたんじゃないですか(笑)?

ka-yu:(笑)。結構、他の方からも「実体験ですか?」って言われるんですけど、その辺は…ご想像にお任せします(笑)。

 サウンドとしては、パーカッションのリズムの取り方に特徴があって、コミカルな印象を受けました。

ka-yu:こういうちょっと変わった感じの、面白い曲調のものがあると、曲のメリハリをつけるのに役立つかなと思って。あえてこういう曲調に。

 「DAMI」と「JAW」は、プロジェクト名になぞらえて、最初から対でつくろうと思っていたんですか?

ka-yu:いや、最初はそういうつもりは全然なくて、「JAW」が先にでき上がっていたんです。曲のイメージから出てきた単語の仮歌詞をまとめたらボクシングの歌だったので、自分の好きな「あしたのジョー」の世界観を自分なりに解釈して歌詞を書いたんです。それでタイトルをストレートに「JAW」にしたんですが、それなら「DAMI」もつくろうと思って。ダジャレっぽいところからなんですけど(笑)。

 「DAMI」は最初から“悪魔の子ダミアン”をモチーフにしようと思って書いたんですか?

ka-yu:そうです。それをモチーフに曲をつくったら、世界観がより伝わるかなと思ったので。ただ、歌詞を書くのにかなり時間がかかりましたね。ダミアンの思いを自分の中で噛み砕いてストレートに表現するには、文字数に限界があったため、わかりにくくなってしまったり、いい言い回しが出てこなかったりして。それと歌う雰囲気に合わせるのにも、時間がかかりました。

 「I AM」は、どんな思いから生まれた曲なんですか?

ka-yu:この曲はDAMIJAWをやるまでなかなか考えもまとまらず、本当につらかった時期もあったんですけど、その時に何年も表舞台で活動していないのにファンレターをいただいて。そのファンレターには“どんな形でもいいから待っているから”と書いてあって、いっぱい励ましてもらったんです。だから、本当に自分が迷った時に助けてくれたファンの人たちに対して、“君たちがいてくれたから、君となら歩き出せる”っていうのをストレートに歌詞に書いてみようかなと思ったところからつくった曲です。

 自身の気持ちを素直に歌詞にすることに、照れくさい部分はありましたか?

ka-yu:以前はそういう気持ちもあったんですけど、「無力な自分が許せない」みたいにストレートに伝わる歌詞を書いてからは、そういった恥ずかしさみたいなのは吹っ切れましたね。それまではストレートなものが恥ずかしくて、遠回しに歌ったり、格好付けた歌い回しで歌っていたんですけど、ストレートな文章や歌詞が持つパワーを「無力な自分が許せない」で実感したので、恥ずかしさよりも伝えたいという思いの方が勝りました。

 ボーナス・トラックの「WE WILL BE」も、ストレートな歌詞が印象的です。

ka-yu:直球ラヴみたいな感じですね(笑)。この曲は「I AM」とつながっていて、支えてくれた君にありがとうと。要するにファンの方に対するメッセージを、ファンの方を恋人に見立てて歌った曲です。

 6月から今作のリリース・ツアーも決定していますが、ファンの方と会えるのは楽しみ?

ka-yu:そうですね。その土地、その土地に行かなければ会えない方たちと直接会えるのが待ち遠しいです。ツアー内容は、まだ具体的な構想はないんですけど、来てくれた方たちと一緒につくり上げていけるライヴになればいいなと思っているので、それに向けて考えようと思っています。今作はファースト・アルバムということで、DAMIJAWのコンセプト、DAMIJAWがしたいこと、DAMIJAWの世界観が本当にわかりやすく、ぎっしりと詰まった1枚になったと思っているので、ぜひ聴いていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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