the pillows

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L to R:真鍋吉明、山中さわお、佐藤シンイチロウ

独自のスタイルを貫き通すロック・バンドthe pillows。昨年12月1日にリリースしたニュー・シングル「Movement」を皮切りに、ニュー・アルバム『HORN AGAIN』(1月26日)、ライヴDVD『Born in The ‘60s』(2月16日)と3ヶ月連続で作品をリリース! 結成22年目を迎えた彼らの魅力を存分に堪能できるアイテムばかり!!


 昨年はthe pillowsとしての活動だけでなく、山中さんはソロ・デビューするなど、例年以上に多忙でしたが、改めて振り返ってみて、いかがでしたか?

山中さわお:はじめてソロ・アルバムをつくったことは、達成感がありましたね。他のミュージシャンとのセッションは楽しくもあり、新鮮だったし。あと自主企画した『Born in The ’60s』というイベントで、THE COLLECTORS、Theピーズ、怒髪天、TOMOVSKYとツアーを回ったのがとても印象的でした。久しぶりに先輩ばかりに囲まれて(笑)。確かに忙しかったけど、忙しいのが好きだから良い1年だったかな。

 その’10年の締めくくりにリリースされたシングル「Movement」は、初期のthe pillowsを感じさせる楽曲ですが、いつ頃、どのような形で生まれてきたんですか?

山中さわお:この曲は去年の『OOPARTS TOUR』中、どこかのホテルで深夜から朝にかけて一気に曲も歌詞も書き上げて。最初はスローな曲のつもりで書いたんだけど、バンドでセッションするうちに、アッパーな気分に変わっていったんです。

 歌詞は“諦め”と“希望”の間で揺れる、微妙な心理が描かれていますが、その背景には’09年の“20周年イヤー”が影響しているんですか?

山中さわお:確かにアニヴァーサリーは関係してますね。武道館公演はやはり自分にとって大きな出来事で、感謝と感動、達成感でしばらく脱け殻だった。それでも日々は続いていくし、目の前にはツアーがあり、ステージがあり、音楽が僕を待っている。“それでもまだ走り続けたい”と、素直な気持ちが出た歌だと思います。

 その「Movement」を収録した『HORN AGAIN』は、よりロックな方向に振れた作品に仕上がっていますが、アルバムの全体像が見えてきたのはいつ頃でしたか?

山中さわお:前作の『OOPARTS』は、the pillowsのオルタナ・サイドがにじみ出たアルバムだったんだけど、今回はロックンロール・サイドというか。たぶん、ソロ・アルバムをつくったことが影響したのかな。細かいオルタナ的なギター・アプローチはソロで満足して、the pillowsはまたバンド・サウンドをセッションの瞬発力で生み出したくなったんだと思います。「Brilliant Crown」ができて、トータル感はシリアスな方が似合うだろうなと思って全体像は固まっていきました。

 ちなみにソロでの活動は、山中さんの中でthe pillowsとは別のものとしてわけているんですか?

山中さわお:ソロは楽曲づくりよりも、ギターを好きなだけ弾くとか、他のリズム隊とセッションするとか、あとはライヴで披露する気がないアプローチができる楽しみ…などですね。the pillowsはライヴが大前提だし、やはり“ロックンロール”、もしくは“名曲を熱唱!”みたいな熱の高いものがしっくりきます。だからソロは比較的熱の低いものをやる場所…かな。でも、明確にわける必要は今さらない気がします。もう長いですからね(笑)。

 “HORN AGAIN”というタイトル通り、何かに向かって突進して行くような推進力を感じさせる作品ですが、タイトルはどんなところから?

山中さわお:直訳すると“ツノよ再び”ってなるんですけど、とにかく僕は戦闘的な方が、音楽やthe pillowsを動かすのに向いてると再確認したんです。残念ながらネガティヴなパワーの方が生み出しやすい性格で。理想的に前進することにこだわると、必ずそれをさえぎる存在と対面するでしょう。その時に大人っぽくスルーするのではなく、ツノを出して戦う、ディスカッションする姿勢でいたいんです。

 前作に続き、今作もセルフ・プロデュースで制作されたそうですが、セルフ・プロデュース以外の作品との決定的なちがいはどんなところですか?

山中さわお:僕らにとってプロデューサーと言えば、サロンミュージックの吉田仁さんですから、仁さんの得意なローファイ・サウンドを目指すか、最近僕がしたいハイファイ・サウンドを目指すか、その点だけですかね。今作は、その中でも、ギターの音がよりクリアな歪みで録音できたことが、自分的には大きいです。

 個人的に「Movement」や「Brilliant Crown」ではなく、「Doggie Howl」で最後を締めているのが印象的だったんですが、曲の並びで意識したことは?

山中さわお:曲順はとても音楽的、感覚的に一瞬で判断するので、伝えるのはとても難しいですね。並べて聴いてすぐ良いか悪いか感じるので。ただ、「Brilliant Crown」のような大作っぽい曲の後に、軽めの曲で終わるパターンは、個人的に好きですね。the pillowsでは、こういうパターン多いです。映画でも感動的な場面で終わって暗転して、エンドロールが案外軽い曲で終わるパターンがあるじゃないですか。ああいうの好きなんですよ。

 どの曲にも思い入れがあると思いますが、あえて1曲“これ!”と挙げるとしたら、どの曲になりますか?

山中さわお:サウンドも歌詞の内容も今の自分にジャスト・フィットしてるんで、「Limp tomorrow」が一番気に入ってます。何を歌ってるのか、親切な説明のない歌詞、聴く人によって感じ方の変わる歌詞っていうのを書けた時が一番手柄を感じます。でも、そういう曲に限って、あまり人気出ないんだよな(笑)。

 2月16日には、最初の方でお話に出た『Born in The ’60s』のDVDがリリースされますが、このツアーのアイデアはどんなところから?

山中さわお:単純に20年以上付き合いのある、音楽的にも人間的にも影響受けた強者バンドとツアーしたかったんです。怒髪天の増子さんが、名古屋のアンコールで天むすを持って登場して、客の口にねじ込んだり(笑)、最終日のEASTのステージでTHE COLLECTORS、TOMOVSKYを土台に組体操みたいな感じでピラミッドの頂上に立ったり(笑)、想像もつかない馬鹿馬鹿しさに、僕たちもお客さんも爆笑のツアーでした。

 ずばり、このDVDの見どころは?

山中さわお:ライヴはもちろんですけど、爆笑の楽屋、打ち上げ。特典映像ではメンバー14名の格付けチェックもあって相当面白いっす。今年もこのツアーはやるんで、このDVDでどんな感じかチェックしてもらって、実物を観に来てもらえたらと思います。

 2月18日からは、過去最大規模の全国ツアー『HORN AGAIN TOUR』がスタートしますが、こちらはどんなステージに?

山中さわお:いつも通り、行き当たりばったりっていう感じで、楽しくやります。

 ニュー・アルバム『HORN AGAIN』のリリースで幕を開けた’11年ですが、どんな1年にしたいですか?

山中さわお:ん〜…そういうの本当にないんですよね。まぁ、25周年までは普通に頑張りたいです(笑)。それと新曲もたくさんつくりたい! 傲慢で勝手なバンド…って俺だけ(笑)? とにかくthe pillowsを’11年もよろしく!


INTERVIEW:Shinji Takemura


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