倖田來未

01-01 KODA KUMI


デビュー10周年となる今年、新たな倖田來未を予感させるニュー・シングル「Can We Go Back」が1月20日に登場。この曲に出会って、新たなスタートをきれたと語る倖田來未のインタビューをお届け!!


デビュー10周年目となる’10年の第1弾プロダクツとして、46枚目のシングル「Can We Go Back」がリリースされますが、ご自身ではどんな位置づけのシングルだと考えてますか?

倖田來未:今の私は“第4期”のスタート地点にいるんじゃないかって思ってるんですね。第1期は16枚目のシングル「Butterfly」(’05年6月)までの“冬の時期”。それまでもいくつかのヒット曲には恵まれていたんですけど、本当に手ごたえを実感することができた作品は、私にとっては「Butterfly」なんです。第2期は「anytime」(’08年1月)までの“怖いもの知らずのイケイケ時期”。第3期は「MOON」(‘08年6月)から最近までの“自分自身と向き合う時期”。自分の失言で多くの人を傷つけ、そこではじめて、自分の言葉の影響力であったり、挫折であったり…それまではちゃんと考えることができなかったことに気付くことができた、大人の第一歩を踏み出した時期。でも、それがゆえに臆病になってしまった時期でもあるんですよね。そして、「Can We Go Back」から、今から新たに走り出そうとしている第4期なんです。

昨年は第3期の終わりだったんですね。

倖田來未:そうですね。ここ2年間というのは、あんまりいい思い出がなくて。私はこの2年間、何をやってたんだろうっていう自分自身に対する腹立たしさを感じてたんですね。’09年は特に、10周年に向けて土台をつくる年にするはずだったのに、自分の中で思っていたほどドカンと戻れなかった。“私は一体、何をやってるんだろう”って強く感じていたときに、「Can We Go Back」という曲に出会ったんです。

とても攻撃的なロック・チューンになってますが、歌詞にはどんな気持ちを込めたんですか?

倖田來未:デビュー10周年をスタートした“今”の私の気持ちが明確に表れている楽曲になったなって思っていて。臆病になっている自分や、負けるコトに慣れてしまっている自分を、奮い立たせるように書いたんですね。自分の弱さをこんなに赤裸々につづったのも、♪今戻るButteflies♪なんて過去を彷彿させるフレーズを書いたのもはじめてで。

レコード大賞も受賞した「Butterfly」の頃に持っていて、今は失ってしまったものというのは?

倖田來未:やっぱり、勢いなのかなって思いますね。何をしても良いように言っていただきましたし、失敗も全部良い方向に転んでたような気がしてて。

でも、’08年10月にリリースした41枚目のシングル「TABOO」も攻めてはいましたよね。どんなタブーも打ち破っていくという姿勢も見えてました。

倖田來未:攻めてはいるし、みなさんからも「カッコいい」っていう声をたくさんいただいたんですけど、今、振り返ってみると、振り切れてない部分があったんじゃないかって思うんです。おそらく、いろいろ気をつかいながら制作してしまってたんじゃなかと思うんですね。私は失敗もしたし、挫折も経験して。そんな経験から、臆病になってしまったりもしたんですけど、だからこそ、人の痛みがわかるようになったり、優しい気持ちになれたり…人間としてはスゴク成長できた時間だったと思うんです。振り返ることで、改めて“無駄なことはひとつもない”って痛感したし、これからも恐れずに走り続けようって思えたというか。

それが、♪もっとsimple & crazyにchange♪という前向きなフレーズにつながっていくんですね。

倖田來未:そうですね。周りからクレイジーに見えても、私にとって明確かつシンプルな自分でありたいっていう気持ちを込めていて。聴いてくれる人たちに対しても、決して周りの評価を気にせずに、一緒に壁を乗り越えていこうっていうメッセージが伝わるといいなと思いますね。

PVはジャンヌ・ダルクをテーマにつくられたそうですね。

倖田來未:そうなんですよ。時には傷つきながらも仲間と一緒に闘いに出るジャンヌ・ダルクの姿が、“アーティスト・倖田來未”のイメージと重なるなと思って。スタッフ、友達、家族、そして、待っていてくれているファンのみんな……仲間っていうのは、私の周りにいる大切な人たちのことで。“倖田來未”という看板をひとりで抱えるのは大変だけど、私にはそれを支えてくれるたくさんの仲間がいるんですよ。私も何かをあきらめそうになったり、負けそうになったりすることがあるんですけど、それでも、投げ出さないで続けてこれたのは、仲間がいたからだと思っているんです。

また、すでに倖田さん出演のCMソングとしてオンエア中のカップリング「Good☆day」は、一転してポップでチャーミングな楽曲になってますね。

倖田來未:3年くらい前から、じっくり温めつつ、ずっとリリースのタイミングを見計らっていた曲なんです。今回、“そごう・西武「冬市」”のCMソングのお話をいただいたときに、真っ先にこの曲が浮かんで。3年越しにやっと日の目をみたんですけど、歌詞には、“大好きな人のもとへ今すぐにでも飛んでいきたい!”っていう恋心をつづっていて。この曲を聴いた人が、オシャレがしたくなったり、買い物に行きたくなったり。少しでもワクワクした気持ちになってもらえたらうれしいですね。


INTERVIEW:Atsuo Nagahori


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