デーモン閣下

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悪魔界きっての美しい歌声を持つデーモン閣下が、女性ヴォーカリストのヒット・ソングをカヴァーした『GIRL S’ ROCK』シリーズの集大成アルバム『GIRLS’ ROCK Best』と、昨年行なわれたツアーのDVD『DEMON’S ROCK EXPO. -THE LIVE!!-』を1月20日に同時リリース!!


『GIRL S’ ROCK』シリーズは、閣下が“ひとりのヴォーカリストに立ち返ること”を目的としてスタートした企画ということですが、女性ヴォーカリストの楽曲にこだわったことには何か理由があったんですか?

デーモン閣下:特にこだわったわけではないのだが、この企画をはじめる前に何らかのカヴァー・アルバムを出そうとスタッフとミーティングしていて、いろいろなアイディアが出ていた。その中で、我が輩が女性の歌を歌ったら面白い、またはそれを聴いてみたいという意見がスタッフから出てきたので、それを突き詰めていって形になったのが第1作目。そこからはじまったものなので、当初の段階から女性ヴォーカルのカヴァーをシリーズ化していこうというこだわりがあったわけではない。

 では、2作目、3作目に関しては、1作目の流れを継承して続いていったと。

デーモン閣下:実際に1作目を出して、ある程度の評判を得た後に、次はどうしようかという段階で、同じ方向性で行くのか、それとも今度は“BOYS’”にするのか。または全然別のものにするのかっていうミーティングをさんざんして、結局“GIRLS’”に落ち着いたわけだ。3作目に関しては、すでに2作出た後だったので、すんなりと決まったけれども。だから、その辺は我が輩のこだわりというよりも、レコード会社の意向の方が強いと思う(笑)。“今度はこういうのにチャレンジしてます!”という謳い文句もつくりやすかっただろうし(笑)。

このシリーズを改めて振り返ってみて、どのようなことが糧になりましたか?

デーモン閣下:いくつもあるが、たとえば、どういう風に歌うかっていうことでも面白いと思えることがあったし、制作する過程の段階での面白さもあった。前者で言うと、女性が歌っていた楽曲をカヴァーしたわけだが、我が輩が今まで歌ってきた種類の歌とそんなに遠くない内容の歌もあれば、非常にかけ離れた内容の歌もあったので、どういう風に歌いこなしていくか。それとアレンジにも関与したので、どういう風にアレンジしていくのか。そういった面白みや達成感など、簡単に言うとそういうところだな。

制作する過程での面白みというのは?

デーモン閣下:そっちの部分で言うと、このシリーズはすべてスウェーデン人のアンダース・リドホルムというアレンジャーと共につくってきたんだが、彼とのやり取りはインターネットが中心で、極端な話、双方ほとんど会わずに曲ができ上がったので、こんなレコーディングの手法もあるんだと。最初のうちは、本当にこんなやり方でできるのかとか、音は大丈夫なのかとか、暗中模索状態ではじまったんだが、1作、2作とつくっていくうちに、非常に遠くに住んでいる彼らとも仲良くなって、あげくの果てには2作目の時に彼らを日本に呼んで、一緒に全国をツアーで回るというところまでたどり着いたので、女性の歌をカヴァーするというのとは別次元の、ミュージシャンとしての面白みをこのシリーズでは味わうことができた。音楽づくりやミュージシャン同士のコミュニケーションという点で。どちらかと言うと、こっちの方が面白く感じたな。

アンダース氏のアレンジに関しては、閣下の方からリクエストを出していったんですか?

デーモン閣下:両方あるが、一番大事にしたのは彼の第1印象。ほとんどの場合、彼が知らない曲がいきなり送られてきて、これをアレンジしろと言われるわけだ(笑)。自分が逆の立場だったら、“どうすりゃいいんじゃ?”というのが、山のようにあるはずなんだけれども、アンダースから“こういう風にしようと思うんだけど”っていう返答が来るのが楽しみで。“ああ、なるほど。そういう風に捉えたか。面白いな”と思うものはそのまま進めてもらったし、これはちょっとピントがズレてるなというのは、“こうした方がいいんじゃない”みたいにアドバイスしたり。ただ、ピントがズレてると言っても、その度合いによっては、そのままやってもらったものもあった。あまりにもズレてると、どんな風になるんだって逆に聴きたくなったりしてな(笑)。やり直してもらった曲もいくつかあるが、テンポが速すぎて日本語をのせきれないとか、早口になりすぎて歌えないとか、物理的な部分が中心であって、ほとんどは彼の思ったままに進めてもらった。

新録曲が2曲収録されていますが、こちらもアンダース氏に?

デーモン閣下:そう。録り置きしていたものではなく、今作のために。ただ、どの曲にするかというのは、昨年の夏からミーティングをやっていたんだが、なかなか決まらなかったな。最終的には、どういう年齢層、どういう音楽的趣向の人たちに聴いてもらいたいかという、ターゲットの絞り方になってくるんだが、それがスタッフの間で食いちがって。対立してる意見を持ったスタッフの片方しかミーティングに来なくて、話し合いになんねぇじゃねぇかみたいな現象もあったし(笑)。

最終的に選曲の決め手となったのは?

デーモン閣下:“誰もが知っている曲”というところだな。「魅せられて」に関して言えば、ジュディ・オングは何曲もヒット曲を持っているわけではないし、長年に渡って歌番組に出ていたわけでもないが、この1曲は誰もが知っている大ヒット曲じゃない? そういう意味で、これはいいんじゃないかと。インパクトもあるし、他にこの曲をカヴァーしている人もあまり見たことがないし、面白いことになるんじゃないかと。

「赤いスイートピー」については?

デーモン閣下:中森明菜もやってるし、中島みゆきもやってるし、山口百恵もやってる。日本の女性ヴォーカルの曲を歌っていく中で、残っている大御所は、聖子ちゃんとユーミンとドリカムなわけよ(笑)。これは我が輩が強く望んでいたことでもあるんだけれど。で、やるならどの曲だろうとなった時に、アンダースがアレンジするとどうなるか、我が輩が歌うとどうなるか、イメージしながら聴いたんだが、この3アーティストは、それぞれ個性がちがうけれども、簡単に言うと我が輩が歌うには難しいタイプの曲が多いのだ。だから、なかなか“これ!”というのが見つからなかったんだが、「赤いスイートピー」を聴いた時に、これをアンダースがアレンジすると、相当面白いものになりそうだぞっていう予感を、スタッフを含めみんなが感じたので、ここに落ち着いたわけだな。

シリーズ3作品からの選曲はどのように?

デーモン閣下:これに関しては、今は曲単位でダウンロードできるので、その数の多い順に4曲というのを基本に考えたから難しくはなかった。ただ、期せずして、『GIRLS’ ROCK 〜Tiara〜』からの4曲は、いずれも歌っている本人が歌詞を書いた曲ばかりが選ばれていて面白いと思ったね。聴く方としても、何か感じるところがあったのかもしれないな。

DVDには、4曲のミュージッククリップが収録されていますね。

デーモン閣下:このうち新しく撮影したのは「魅せられて」だけだが、非常に面白いものができあがったと思う。ある意味、斬新な内容だし。ただ、こういったミュージック・クリップを撮る側は苦労するよね。カヴァーのミュージック・ビデオだから。自分が詞や曲を書いたのであれば、こういう世界観で、こういう風に見せたいという意見も言えるのだが、そうではないのでね。原曲をつくった人は、まさか何年も経ってから、こんな風になるとは思ってもなかっただろう(笑)。

同日に、昨年9月22日にZEPP TOKYOで行なわれたライヴを収録したDVD『DEMON’S ROCK EXPO. -THE LIVE!!-』もリリースされますが、こちらの見どころは?

デーモン閣下:“DEMON’S ROCK EXPO.”というツアーのタイトルが示す通り、いわゆる博覧会的に、我が輩がやっている音楽への取り組みを、過去から現在に至るまでのいろんな側面から見せようという趣旨のライヴだったので、そこだな。

ライヴでのトークも、ほとんど削らずに収録されていますが、そこは閣下のこだわりなんですか?

デーモン閣下:別に我が輩にこだわりがあるわけではないのだけれども、ファンから、なるべく削らないで入れてほしいという意見がすごく多いので、どちらかというとファン・サービスで入れている感じだ。

リスナーにはこの2作をどのように受け止めてもらいたいですか?

デーモン閣下:DVDとCDとで、それぞれ見どころ、聴きどころが随分とちがっていて、両方見聴きしてもらうことが望ましいが、両方に共通していることは、“我が輩が本業をこんなにちゃんとやっているということを思い知れ!”ということだな。我が輩のファンはよくわかってくれていると思うが、あまり見聴きしたことのない人は、目から鱗が落ちる内容になっていると思う。意外と「へぇ〜」って思う人が多いみたいなんだな。昔からずっと、「1回だまされたと思って聴いてみろ、見てみろ」って言い続けているんだが、手を伸ばさない人は、いつまで経っても手を伸ばさないんだよね。こういうところで、いくら“聴いてみろ”って言っても、聴かないヤツは聴かないから。いまだに言われるんだよ、「『GIRLS’ ROCK』のシリーズではじめて聴きました。意外と歌上手いですね」とか。“うるさいわ、お前。歌手だ言うとるやろが!”って感じだな(笑)。ステージもそう。DVD見ればわかるけど、質・娯楽性ともこんなにちゃんとステージやってるとみんな思ってないからね。曲はちゃんとやってるし、笑いもちゃんと取ってるし。別に取らなくてもいいんだけどな、笑いは(笑)。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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