甲斐名都

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透き通るような歌声と優しく包み込むサウンドを届けるシンガー・ソングライター甲斐名都が、1月20日にニュー・アルバム『カテドラル』をリリース! 2年半の間に進化した“今の甲斐名都”を凝縮したアルバムに込めた思いや収録楽曲の数々について、語ってもらった!!


 前作『ナミダの成分』と比較してみて、今作ではどんな点が一番変化したなと感じますか?

甲斐名都:一番感じるのは、曲調の幅が広がったことですね。どんな曲でも、自分の“言葉”と“声”がのれば“これが甲斐名都だ!”という自信がついたからこそ、とても自由なアルバムがつくれました。

 タイトルの“カテドラル”とは、フランス語で“大聖堂”の意味で、“甲斐さんの音楽やライヴが、リスナーのみなさんにとって、明日からのパワーの源になるように”との思いが込められているそうですが、甲斐さん自身は音楽にどのように励まされましたか?

甲斐名都:音楽をはじめるまでは、本当に人見知りで、誰のことも信用していないようなところがあったんです。そんな自分から人との距離を縮められずに孤独ばかりを感じていた頃に、私の心のすき間を埋めてくれたのが、いつもラジオから流れてくる音楽でした。部屋でラジオばかり聴いていたんですが、耳に飛び込んでくる歌詞が元気や勇気をくれて、すごく救われたんです。だから、私にとって、歌詞はすごく大切なもので。できるだけ日本語で、言葉がクリアに心に届くようにと思いながら、いつも歌っています。“ちょー暗かった私が(笑)、音楽をはじめてからのたくさんの出会いを通じて、どんどん変わっていけたんだから、きっとアナタも大丈夫!”と、これからも伝え続けていきたいです。

 「愛GIRL夢GIRL」や「愛はあるわ」は、エレクトロやテクノの要素が取り入れられていて、「ウォーミングアップ」で提示した“新しい甲斐名都”に通じるものを感じましたが。

甲斐名都:「愛GIRL夢GIRL」は、ここ数年ケイト・ナッシュやリリー・アレンなど、ポップでガーリーなソング・ライティングをする女性たちにすごく刺激を受けて制作をしていた時期につくった曲です。「愛はあるわ」は、「ウォーミングアップ」のような打ち込み中心のサウンドと「同じ空を見上げてる」のようなバラードとの架け橋になる存在としても、このアルバムに不可欠な曲ですね。

 「恋する季節」は、相手にすがるような切ない女性の恋心が描かれていますが、こちらはどんなところから生まれた楽曲なんですか?

甲斐名都:私は、付き合いはじめたばかりの頃から、別れることを想定して落ち込んだりしちゃう、めんどくさい性格で(笑)。恋をしていてもどこか不安で、いつも満たされないんです。この曲も、出会った頃のままのドキドキでいたいけど、いられない。変わっていくことへの不安と、それでも好きだから、それを受け入れていく勇気がほしいという、私自身の気持ちを素直に曲にしたんです。

 この楽曲をもとにしたケータイ小説「恋する季節〜ふたりのカタチ〜」を連載されていますが、この楽曲をもとに小説を書くことは、楽曲を制作した時から考えていたんですか?

甲斐名都:この曲をつくった当時はありませんでした。でも、私のケータイ小説デビュー作となった「ワンダースノウ」が、とても良い評判をいただいて、もう1作、自分の曲をモチーフに何か書きたいなと思った時に、この曲が浮かんだんです。小説を書くことは、私にとってあくまでも趣味なんですが、ライフワークのひとつとして、これからもマイペースで続けていきたいですね。

 「natsukazeマイボーイ」は、失恋ソングながら、さわやかな曲調と前向きな歌詞が印象的な楽曲ですね。

甲斐名都:この曲は、残念なダメ男くんを好きになっちゃった時につくりました。“natsukaze”には、“夏風邪”と“夏風”の2つの意味が込めてあって、“男の性分ってもんは、やっかいな夏風邪みたいなもんなんだ”と、どうにか自分を納得させようとしている女の子の歌です。当人は夏風のように、さわやかにあっけらかんとしているところが、またムカつきながらも憎めないというか(笑)。

 「ULTRA She」は、アッパーなポップ・ロックですが、これもまた“新しい甲斐名都だな”という印象を受けましたが、制作する上で、苦労した点などはありましたか?

甲斐名都:タイトルが先に浮かんで“このタイトルの曲をつくろう!”と思ってつくりはじめたんですが、ギターの弾き語りで1日で完成したので、苦労とかはなかったですね。勢いでガーッとできた感じで。ただ、つくっている間、なぜか頭の中でIKKOさんが妖艶に踊っているイメージがあって、この曲は私の中で勝手にですが、IKKOさんに捧げています(笑)。

 「カテドラル」は、非常にライヴ映えする楽曲ですが、ライヴを強く意識して制作されたんですか?

甲斐名都:私にとっての“ライヴ”、そして私が感じる“音楽のパワー”をそのまま歌詞に凝縮しました。大聖堂をライヴ・ハウスに見立てているんですが、いつか必ずこの曲を私の目標である武道館でやりたいですね。

 「雪の降る街」は、「雪の降らない街」が女性目線なのに対して、男性目線で描かれた楽曲ですが、’08年に配信限定でリリースされた「雪の降らない街」の対になる楽曲を制作しようと思ったきっかけというのは?

甲斐名都:私自身の経験や友達の話を聞いていると、同じ“別れ”というシチュエーションで考えてみても、男女によってその受け取り方や乗り越え方ってちがうんだなといつも思っていて。パソコンで例えると、思い出をゴミ箱に入れるけど、「ゴミ箱を空にする」ボタンを押せないのが男子、潔く押せるのが女子だと思うんです。そんなことを考えたのがきっかけで、“「雪の降らない街」で、都会で夢に向かって頑張る女の子を描いたけど、その女の子を送り出して故郷で待っている男の子はどんな気持ちなんだろう?”と気になって、曲をつくってみたんです。ただ、自分で書いていて“男の子は未練がましいなぁ。女々しい生き物だよなぁ”と、若干イライラしましたね(笑)。

 この2曲の前には、甲斐さんが台本、効果音、演出を手がけた「Interlude」も収録されていますね。

甲斐名都:この2曲を対でつくった時から「Interlude」に出てくるような男の子と女の子のやりとりがイメージできていたので、それを形にしました。音も私が録ったのですが、電車の音は、すごく寒い夜にレコーダーを持ってホームに立って、何本も録ったんです。通りすがりの人たちに怪しまれながら頑張った、渾身の効果音です(笑)。

 ファンの方はもちろん、甲斐さん自身、待ち望んでいたアルバム。最後にこのアルバムに対する思いをお願いします。

甲斐名都:2年半ぶりのアルバムをやっと届けることができて、とてもうれしいです。すごくカラフルでいろんな曲調がありながら、すべての曲に“生きてればいろいろあるけど、自分らしいペースで歩いていこうよ!”という前向きなメッセージを込めています。出口が見えない時、立ち止まってしまいそうになった時は、このアルバムを聴いてください! そして、ライヴに遊びにきてください。みなさんの中に息づくポジティヴなパワーがきっと踊りだすハズですから。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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