倖田來未

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ベスト・アルバムとニュー・アルバムが合体した前代未聞の究極の2枚組!! 2月3日にリリースされた『BEST〜third universe〜 & 8th AL “UNIVERSE”』は、これまでの倖田來未とこれからの倖田來未を一望できる作品に仕上がった!!


 まず、ベスト・アルバムとオリジナル・アルバムをひとつのパッケージにまとめた2枚組のアルバムのジャケットのコンセプトからおうかがいしたいのですが。

倖田來未:この2枚には、『BEST~second session~』から約4年間の私の歴史が詰まっているんですね。あれから私がどう変わったのか? その成長をみんなに見てもらいたいという気持ちもありましたし、自分自身でその変化を見つめなおしたい気持ちもあって。だから、今作のジャケットは『BEST~second session~』と同じ場所で、同じシチュエーションで撮影することにしたんです。

 4年前は牛乳だった飲み物がシャンパンとコーヒーに変わってますね。ご自身で写真を見比べた感想を聞かせてください。

倖田來未:第一声は“老けたなぁ”ですよね(笑)。でもね、同時にこういう歳の取り方ができて良かったなとも思ったんです。ちゃんと自立はしているんだけど、かわいらしさも残せている……想像していた以上にバランスのいい大人の女性になれたのかなって。4年前の私が想像していた“27歳の倖田來未”は、もっとキツくてもっと強い感じのオラオラ系の女性だったから(笑)。

 確かに、4年前に比べると表情がグッと柔らかく女性的になっているように思えます。

倖田來未:私は、この4年の間に失敗もしたし、挫折も経験した……でも、だからこそ、人の痛みがわかるようになったり、優しい気持ちになれたり……人間としてはスゴク成長できた時間だったと思うんです。それがこのジャケットの表情に表れているのかなって。

 ベスト・アルバム『BEST〜third universe』には、’06年にリリースした「恋のつぼみ」から’08年リリースの「Stay with me」までの約3年間にリリースされたシングル曲が収録されています。

倖田來未:4年前って12週連続シングル・リリースの直後なんですね! あっという間に時間が過ぎたような気がしていたけど……実はスゴク長くて濃厚な時間が経っていたんだなって、改めて気付かされました。「恋のつぼみ」はシングルでははじめて“くぅちゃん”を出した曲なんですね。それまでは“アーティスト・倖田來未”というカラーが強かったんだけど、ここから少しずつ変化していったような気がします。こうやって並んだ曲を眺めると、「人魚姫」(32枚目のシングル「4 hot wave」収録)で、ロック・サウンドにハマって、「BUT」や「FREAKY」が生まれたり……当時の自分のマインドや変化が手に取るようにわかるのが面白くて。私は、基本的に前を向いて歩いていきたいタイプなので、過去を振り返る作業はあまりしないんですけど、改めて自分自身が歩いてきた道のりを振り返って考える、いいきっかけになったと思います。

 一方、昨年リリースした4枚のシングルを含む8枚目のオリジナル・アルバム『UNIVERSE』はどんな1枚になっていると言えばいいですか?

倖田來未:ベスト・アルバムが、“挫折知らずの怖いもの知らずでイケイケだった4年前の私”だとしたら、オリジナル・アルバムには、“痛みを知って大人になった今の私”が詰まっているなって思います。この2年間を振り返ってみて、私は、転んで怪我するのが怖くて思い切り走れてなかった、臆病な自分に気付いたんです。リード・シングル「Can We Go Back」でも歌っているように、臆病になってしまったりもしたけど、今はまた、“怪我することを恐れずに思い切り走るぞ!”という再出発の気持ちでいる。だから、オリジナル・アルバムは強めのロック・サウンドを中心に“攻め”の楽曲がそろったんだと思ってて。そんな私の変化や今の勢いをこの作品で感じてもらえたらうれしいですね。

 歌詞も前向きな姿勢のものが多いですよね。

倖田來未:特に意識したわけじゃないんですけど……きっと、自分自身を勇気づけたい、自分の背中を押したいっていう気持ちがあったんじゃないかなと思います。改めて、リリックを見てみると、やっぱり大人になった自分も感じますよね。例えば、「Physical thing」は、今の私だからこそできる“大人のエロカッコいい” を表現してるし、近くにいるのに遠いっていうジレンマを描いたラブソング「No Way」には“大人の苦み”のようなものが存在してるんじゃないかと思います。

 特に、今だからこそ書けた曲というのは?

倖田來未:「You’re So Beautiful」ですかね。この曲では、私がデビューからずっと言い続けてきたメッセージが歌詞になってて。胸の中にあった想いをちゃんと言葉にできるようになったのも、傷つく姿もガムシャラな姿も“美しい”と言えるようになったのも……沢山の涙を流し傷ついてきた“今”だからこそ。4年前の私には書けなかったんじゃないかなと思います。

 タイトルを『UNIVERSE』にしたのは?

倖田來未:イメージ的には『銀河鉄道999』なんですよ(笑)。線路のないこの道はどこに向かっているんだろう? 宇宙に延びるその行き先は無限大に広がっていくし、どこにたどりつくのかは自分自身にもわからない。それを私自身も楽しみにしたいし、みんなにも楽しんでもらえたらうれしいですね。


INTERVIEW:Atsuo Nagahori


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