武川 アイ

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昨年11月にメジャー・デビューを果たしたシンガー・ソングライター武川 アイのセカンド・シングル「遠い道の先で」が3月3日にリリース! ファーストで見せた姿とは、ひと味もふた味もちがう彼女を感じられるこの作品は、どんなところから生まれたのか!??


 メジャー・デビューから3ヵ月が経過しましたが、生活環境や音楽に対する気持ちなど、変化はありましたか?

武川 アイ:曲をつくるという面に関しては、今まで通り、何も変わらないんですが、気持ちの面で、その曲のどういう部分が届いているのか、どんな風に届いているのかを意識するようになりました。自分が発信する音楽に対しての責任感が強くなったのかなと感じていて、そういうところも含めて楽しみながら曲をつくっていきたいって思っています。

 よりリスナー側の立場に立った考え方をするようになったと。

武川 アイ:もともとそういうのを考えないと、曲ってつくれないという意識はあったんですけど、デビューして今までよりも聴いてくれる人を目の前にする機会が増えたので、自分自身が実感するひとつひとつの出来事が重くなっていったんです。だから、意識しなくても頭のどこかに常にあって。ただ、あまり意識し過ぎると自分の色を出せなくなってしまうので、その辺のバランスをとりながらやっているのが、以前とはちがうところですね。

 「遠い道の先で」は『犬夜叉 完結編』のエンディング・テーマですが、その話があって制作された曲なんですか?

武川 アイ:そうです。もともと曲の一部はあって、『犬夜叉』と照らし合わせた時に、このコンセプトが一番合うんじゃないかという話になったんです。『犬夜叉』は漫画で読んでいたので、その世界観や内容っていうのは知っていたんですが、アニメの色使いが気になっていて。どれくらいどんよりしていて、どれくらいの明るさがあるのかとか。それで映像を観て、“あ、これくらいの色合いなんだ”っていうところから一気に曲ができましたね。アニメからすごくインスピレーションを受けています。曲だけでなく、詞の言葉の選び方もそうですし、あとはテンポ感とかも。デモ・テープの段階から、ピアノを叩くようにして弾いているんですが、そうやって弾こうと思ったのもアニメの印象が強かったからです。

 “ラヴ・ソング”を書こうと思ったのもアニメのイメージから?

武川 アイ:これはアニメのイメージというより、私の中にあるいろんな面を少しずつ表現していきたいという思いがあったので、“「I WILL」とはちがうところを”と考えて。とは言っても、自分にないところではなく、自分の中にあるもので、かつ「I WILL」とはちがうというところで。そういうことを意識した時に、恋愛ってみんな経験することだし、共通することだなって思って。そうやって自然に出てきたものなので、特に今回を“ラヴ・ソングにしよう!”っていう意識はなかったですね。

 アップ・テンポな曲調もそうですが、目まぐるしく展開するところも“「I WILL」とはちがうところ”ですよね。

武川 アイ:最初はまっすぐに進んでいて“これが私の信じるものだ!”って思っていたところから、“いや、でも不安だ…”っていう心境の変化がある曲なので、ゆっくり心境が変化していくのではなく、走りながらどこかに行っているイメージがあったので、こういうテンポ感や展開につながっていますね。

 タイトルも日本語で、詞の中に英語が使われていないのも、「I WILL」とのちがいだなと感じたんですが。

武川 アイ:そこは実はあまり意識していないんです。というか、詞を書いていくと英語が入らなかったので結果的にという感じですね。私がイメージするものの中に日本語で表現できなかったことがなかったんです。それと日本語の方が、曲調のテンポ感とすごく合うなとも思っていて。これはつくった後で感じた、後づけの理由なんですけど(笑)。

 武川さんの中で英語詞の使い方の決まりみたいなものはあるんですか?

武川 アイ:決まりというか、サウンドの流れで素直に言葉が出てこないことがあって。曲をつくりながら、詞をのせていく同時進行のつくり方が多いんですけど、その途中で日本語が出てこない時があって、そういう時に♪ホニャララ〜♪って歌うんですよ(笑)。で、その♪ホニャララ〜♪は、なんなんだろうって考えた時に、これはたぶん日本語じゃないから言葉が出てこないんだろうって思って。その♪ホニャララ〜♪っていう部分を英語に変えるっていうやり方が多いですね(笑)。

 詞全体からは“2人の強い絆”というものが伝わってきますが、ご自身の恋愛観が反映されている部分は大きいんですか?

武川 アイ:そうですね、私、こういう人なんです(笑)。クヨクヨする時はすごくクヨクヨして、“行ける!”ってなった時はトコトン行くみたいな。気質が激しい面がありますし、基本的に思ったことは口にするし、どちらかと言うと女性らしいという感じではないですね(笑)。

 男勝りというか(笑)。

武川 アイ:ですね(笑)。でも、詞の中には理想っていうのもあって、私自身はこの曲に出てくる人より全然弱いので、こうありたいなっていう気持ちを書きながら、私が進んでいる方向はきっとこっちなんだろうなっていうのは思いました。

 “遠い道の先”っていう言葉も抽象的というか、恋愛に限らず、いろいろなことを想像させる言葉ですよね。

武川 アイ:ホントにいろんな道があるじゃないですか。自分の中では、そのすべてがずっと続いていて、先にたどり着いたとしても、まだその先に何かあるっていう。恋愛だけじゃなくて、音楽もそうですし。“ゴールがない”というところを、いろんな可能性があるんだよっていう、うれしい要素として捉えてもらいたいです。そういうところは「I WILL」と共通した世界観かもしれないですね。

 カップリングの「Star」は、“迷いや不安がある中で、自分に言い聞かせて前へ進む勇気を持とう”というメッセージが感じられます。

武川 アイ:この曲は10代の頃に「I WILL」よりも前に書いた曲なんです。その頃の自分の感覚や感じたことで「I WILL」につながっている部分はあるので、つくった時には意識していたんだと思います。

 ストレートな歌詞が印象的ですが、“思ったことをストレートに”というのは歌詞を書く上で大事にしていることなんでしょうか?

武川 アイ:比喩を使っていろいろやろうとすると、自分でもわけがわからなくなってしまうんです。“自分は結局、何が言いたいんだろう?”みたいに。聴いている人も“なんでこの人は、こんな回りくどく言うのかな?”って思うだろうし。だから、自然なままというか、できないことはしないという感じですね。もちろん、この比喩を使った方がわかりやすくなる、伝わりやすくなるというのであれば、そうしますけど、伝えたいことがそのまま出るんだとしたら、それが一番いいのかなって。

 “今作をこういう風に聴いてほしい”っていうリスナーへのリクエストありますか?

武川 アイ:もちろんメッセージ性を持たせようと思って歌詞を書いた部分もありますし、サウンドもつくる段階から細かな点まで考えているんですけど、なるべく先入観なしで聴いてもらいたいですね。内容について考えながら聴いてくれるのもうれしいんですが、サラッと聴いてもらうのもうれしいなと思います。ちょっと元気をつけたいから聴こうみたいな感じでもいいし。ラヴ・ソングはラヴ・ソングなんですけど、恋だけじゃなくて、いろんなことに当てはまる曲だと思うので、そう感じてもらえたらうれしいですね。

 『犬夜叉 完結編』を観ている方には?

武川 アイ:アニメで流れているのはショート・ヴァージョンなので、まだその先にストーリーがあるんだぞっていう気持ちがあるんです。フルで聴いてもらって、そういうことだったのかって思ってもらいたいですね。ショート・ヴァージョンの方で何かひっかかってもらって、その先はどうなっているんだろうって。実際にアニメを観ている方にどうやって届いているか楽しみなところでもあるし、感想を聞いてみたいですね。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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