DA’VILLE

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ここ日本でも人気のジャマイカン・レゲエ・シンガー、ダヴィル。彼がこれまでにリリースした名曲、FIRE BALLとコラボした「Ichiban」、そしてカヴァー楽曲など、たくさんの作品の作品から選りすぐった『BEST & COVERS』が3月24日、リリースされる。


 “独特のビターかつ セクシーな味わいのスウィート・ヴォイスを持ち、何よりもいいメロディ/リリックを書くシンガー”としてジャマイカ・レゲエ界のみならず、ここ日本でも人気のレゲエ・シンガー、ダヴィル。このキャリア初のベストを“’00年代のソロ活動”のひとつの区切りとし、この夏リリース予 定のニュー・アルバムを制作中の彼は、当初このベスト盤の話を聞かされた時は、冗談だと思ったそうだ。

「まだ頂点にも達してないのに、ベストなんか出せるワケない! と思ってたんだ。でも“1枚のアルバムに僕の人気曲を集めて日本のファンたちを喜ばせる”、または“僕の曲を1曲くらいしか知らないビギナーの良き入り口に”っていうエイベックスのヴィジョンに共感したんだ」

 このアルバムが『BEST & COVERS』と名づけられたのには訳がある。それは、ヒット・シングルの寄せ集めということだけじゃなく、彼のファースト・アルバム(’05)のタイトルにもなった「In Heaven」(’85年に全米1位を記録したブライアン・アダムスの名バラッド「Heaven」を、生のバンド・トラックでラヴァーズ・ロック調にアレンジしたダヴィル版)をはじめとする、“最早カヴァーの領域を超えた(?)彼の持ち歌”の数々をコンパイルすることにも意味があるのではないか。というレコード会社の確かな見解があってのものだ。

 レゲエの世界では昔から、 みんなが知ってるポップス〜R&Bヒット曲を、より親しみやすいよう、踊りやすいようにレゲエにアレンジしてカヴァーする、という慣わしがあるのだが、ダヴィルのカヴァー、アレンジ・センスは昨今のアーティストの中でもズバ抜けたものがある。N.Y.のレゲエ・チャートでも最高位5位を記録し、EMEアワードでもノミネートされた先の「In Heaven」などは、それがダヴィルのオリジナル曲だと思っていた若いファンも多いようで…。

 「初めて日本に行った時、出番前に楽屋にいたら、ファンの子が“姉が出産する時に分娩室でこの曲を聴いていたので僕もお気に入りの曲になりました”って言いに来てくれたこともあったよ。カヴァーしてみた時はまさかこんなに人気曲になると思わなかった。世代を超えて受け入れられるのはうれしいね」

 それだけに、このベストは“カヴァー・ベスト”の側面もある。彼のアルバム未収録の楽曲では、ジャマイカの謎の凄腕プロデューサー・チーム=カイザー・ソセが手がけた、“R&B/ヒップホップのレゲエ・カヴァー”シリーズとしてここ日本でも大ヒットした(総計 20万枚以上。配信では55万ダウンロード!)『カヴァーズ』の第3弾となる、『カヴァーズ ジャマイカ』(’06)のために録り下ろした、ニーヨの「So Sick」や、同じく『カヴァーズ』の第2弾となる’05年の『カヴァーズ スウィーツ』に収録されたフィル・コリンズの「Another Day In Paradise」、さらにはセカンド・アルバム『On My Mind』のインターナショナル盤のみに収録されていた、レゲエ界のレジェンド=フレディ・マクレガーの「SO I WILL WAIT FOR YOU」もフォローされている、というのもうれしい限り。

 しかしながら、ダヴィル=カヴァー専門、というわけではない。オリジナル曲だけでもベストが組めるほど、いい曲が多い。中でも、世界中のアワードをかっさらった彼の代表曲「ON MY MIND」は、先のフレディ・マクレガーの末っ子で、10代にしてジャマイカを代表するトップ・プロデューサーに上り詰めたスティーヴン・マクレガーのプロデュース曲としても有名だ。アコースティック・ギターのフレーズも泣かせる極上ミディアムに乗せて、忘れられない彼女への熱い想いを歌ったこの曲はジャマイカでNo.1ヒットとなったのだが、説明不要のスーパースター=ショーン・ポールをフィーチャーした人気のリミックス版も日本盤に初収録することに成功している。

 また“コラボ”と言えば、日本が世界に誇るチャンピオン・サウンド=MIGHTY CROWNのアーティスト集団=FIRE BALLの4人とガッチリ絡んだ「ICHIBAN」もはずせない。

 「MIGHTY CROWNのことは前々からリスペクトしてた。ジャマイカのサウンドを負かしちゃうくらいすごい…なによりレゲエという文化への理解、愛情が半端じゃなく深くて、彼らと何かやってみたかったんだ。ジャマイカとジャパンの架け橋になるような、ね。FIRE BALLのライヴを観てぶっ飛ばされたしね。で、’09年の『横浜レゲエ 祭』の15周年アニヴァーサリーでこの曲を歌い、3万人の横浜スタジアムは大爆発。“Ichiban”はどこまでもNo.1! ってことだね。この曲で、日本とより近くなれたことをうれしく思う。だから、このベストにも絶対に入れたかったんだ!」

INTERVIEW & TEXT:Takashi Futatsugi(D-ST.ENT)


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●ALBUM
03.24 On Sale
『BEST & COVERS』
DA’VILLE
AVCD-38044
¥2,100(tax in)

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